先に紹介した詩を理解するには、この須菩提祖師の住居の
名前が参考になる。その名も「霊台方寸山 斜月三星洞」
というのである。
ちょっと話がずれるが、
昔、私が台湾に留学したばかりのとき、李家雄という漢方
医師のところへ漢方を習いに行ったことがある。別に漢方
医学を学ぼうとは思っていなかったのだが、台湾留学の前、
資料や、つてを手繰っている時に、ある日本人の女性から
紹介され、一度遊びに行ってみるように言われたからだ。
彼は独自の漢方理論から、経脉操という操体法を編み出し
て広めていた。また、人相によって病状を判断する顔面診
察法のような本をだしていて、日本でも翻訳出版されて
いたと思う。
当時はまだ中国語も片言で、意志の疎通はあまり出来なか
ったためであろうか、彼は私が漢方に興味を持ってそれを
習いに来たのだと勘違い(…たぶん。(;^_^A)していた
みたいで、私に会うなり、いろいろ本を示して解説して
くれた。
が、残念な事に言っている事はよく分からなかった。でも、
示された本は古典であったので、読めば意味はなんとなく
わかった。漢方に興味が全くないわけではなかったので、
流れのままに彼に従ったのである。(;^_^A
で、彼から一冊の日本語の本を渡され、これをノートに
写して理解しろというようなことを言われたと記憶して
いる。(今ではどんな書名であったか既に忘れてしまった。)
その本のある部分から写したのであるが、そのノートの
最初に書いてあるのが、副鼻腔の図と解説である。当時
その中で新鮮であり、かつ驚きだったのは、眉間の骨に
前頭洞という空洞があることであった。また、他にも脳の
中には蝶形洞という空洞があり、篩骨洞・上顎洞などの
空洞があるのである。
これらは李家雄師によると、@蝶形洞―実 A前頭洞―花
B篩骨洞―葉 C上顎洞―枝 D鼻根点(レジオン)―根
であるという事らしい。そして、蝶形洞が肺と、前頭洞が
肝と、というように五臓とつながりがあるらしい。
www.hoku-iryo-u.ac.jp/~yasaka/kotuslide.pdf ←参考資料PDF
さて、前置きが長くなったが、霊台方寸山斜月三星洞とは、
この空洞群のどれかのことを言っているのではないかと愚
考する。またこの空洞は、道家で言う「谷神不死」「虚室
生白」などとも恐らくつながっているだろう。また、弘法
大師が求聞持法の体験として「谷響きを惜しまず、明星来
影す」との言葉を残されているが、この谷と谷神とは恐ら
く同じものであろう。
【また、この「谷」という字には秘密があると愚考するの
だが、それはまたの機会にでも。(;^_^A 】
もちろん、これは私の直観からの推測であって、詳しい論
証はできていない。だから、信用してもらわなくてもよいが、
ヨーガや道教の文献などを当たってみて、どうもそうでは
ないかと睨んでいるのである。b(^o^)
あっ、そうそう。私はこれに関してひとつの口伝を持って
いる。それは、「
鼻端とは鼻の発端なり」という一句である。
前に玄珠さんが口伝のところで言われたように、この句を
必要としない人には何の価値もない一句であるが、探求者
にとってはすごい一句であると思っている。このブログを
捜し当てた有縁の方のために記しておく。
それから、話は全然変わるが、前の「西遊記1」で書き忘れ
たのだが、三蔵法師一行が危難に陥った時、必ず観世音菩薩に
力を借りに行って解決する。これは、智慧による観照(観音)
と空観による止(悟空)があいまってこそ、魔障を降伏できる
ということをあらわしているのだと思う。

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