平成十九年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。m(_ _)m
さて、年末年始の流れをちょっと記してみたい。
真言宗の寺院では、多くの参詣者のある寺院以外は
おそらくどこも同じような流れで年越しをすると思う。
ここのお寺もほぼ同じであった。が、まず、昔私が
勤めていた高野山奥の院の例から記してみよう。
以前、高野山の奥の院に居た時の年末年始は、大晦日が
終わって、きっかり0時よりお堂(燈籠堂)を開くと
同時に、職員一同(行法師&維那)にて勤行をする。
勤行の所要時間は1時間弱である。
(因みに、奥の院では12月の初旬に大掃除を済ま
せてしまう。本格的な寒さの前に仕事を済ませる
のと、年末の慌しい時を避ける為なのであろう。
伝統的にそうしていた。)
勤行の間、参拝者は心ゆくまで新年の祈念をし、また
用意された御屠蘇の振舞いを受ける。因みに、ご存知の
方も多いと思うが、御屠蘇の酒には「屠蘇散」という
漢方薬が入れてある。ただの清酒だけではお屠蘇とは
言わないのである。だからこそ、お屠蘇には体内の
邪気を払ってエネルギーを充填する効能があるという
わけだ。
午前2時ぐらいになると、高野山の町内から参拝に
訪れる人もほとんどなくなるので、いったんお堂を
閉め、宿直が常駐する。宿直はまた4時半か5時ぐ
らいにお堂の扉を開く。
さて奥の院では、元日の朝には御供所という建物の
広間にて、職員一同にて正月の儀式が行われる。そ
れは「松三宝」と呼ばれる儀式である。
床の間を背にして維那(奥の院の責任者)さんが座り、
そこから職員が僧俗順番に対面して座る。床の間には
三宝に奉書紙を敷き、米を山盛りにして中央に松の枝
を立て、昆布(白い)、勝栗などを散らした物を安置
してある。これが松三宝である。
儀式は、年始の挨拶を全員で交わしたあと、職員が
順番に維那さんのところへ行く。すると、維那さん
が松三宝に載っている勝栗や昆布、米などを箸で
すくってくれるので、これを懐紙にいただく。全員
がもらうと儀式は終了である。(…今思うと、簡素
ではあるが非常にめでたい良い儀式であるな。)
で、あとは日常と同じお勤めである。
まぁ、寺というのは、お参りで食べていく観光寺院
以外では、初詣の参拝客は本来あまり多くないので、
それほど力を入れないのだと思う。夜中の0時にお堂
を開いて勤行し、参拝客にお屠蘇を振舞って、年賀
の記念品を渡すというところがほとんどであろう。
だから、ここのお寺でもほぼ同じである。ただ、私
一人できりもりするので、諸堂に灯明・線香・お茶湯
を供えたあと、23時半ごろから本堂でお勤めし、
0時に歳徳神を拝み、本堂の扉をあけて年始の参拝客
に備える。
(歳徳神をお祀りするのは初めての経験であった。
おそらく陰陽道の風習が取り入れられたのであろう。
その画像を下に紹介しておく。)
そして、年始の参拝客と年賀の挨拶を交わしつつ、
お屠蘇を振る舞い、年賀の記念品を渡す。…これだけ
である。1時をまわれば参拝客も途絶えるので、お堂を
閉めて寝る…、ということになるのだが、今年は総代
さん2名と3時半ごろまで話し込んでしまい、寝たのは
4時過ぎであった。
で、8時ぐらいからまた年始の参拝客が訪れるので、
7時には起きなければならないのであった。…という
訳で、3時間弱ほどしか寝ていないのである。中年には
ちと辛い。(T_T)
今日は出来ればお昼寝したい…。

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