「3日目」
朝食は前夜に岩崎さんが釣った、たった1匹のレノックを炭火焼! ホントに貴重な1匹でした〜。「ひ、ひもじい・・」。
と、言いつつ、昼食には羊を丸ごとぶっ殺し食べちゃった〜!(笑)。
11時過ぎ、知り合いの遊牧民のゲルを訪れると既に1匹の羊が生贄としてくくりつけられていた。近づくと足を踏み鳴らし暴れる羊。しかし、2人がかりで取り押さえられ仰向けにされるとおとなしくなった。「死」を覚悟したのか? その瞳には群れている時には決して見ることの無い「光」が! 羊は死を目前にして初めてその瞳に「生」が宿るのだ。
胸にナイフを突き立て15cmほど切り裂く。遊牧民の親父が傷口から手を突っ込み、心臓をつかみ取る。「グェグェ」と少しだけむせて目が宙を泳いだ。そして泡を吹いた後、手足から力が抜けてゆく。
※上右写真 撮影「ぢょーぢ君」


そして、スゲぇショーが始まっちゃったあ〜!!(汗)。体中の皮を剥ぎ、手足をボキボキと折られます。内臓を鷲づかみにされ、すべて取り出されます。

血はすべてコップでかき出され(血は大地に一滴たりともたらしてはいけないのです)、体中の臓器すべてが我々の食料に(羊の胃って、草原色に染まっているのね)。「グ、グロイ。家畜に生まれなくてよかった・・」。

鍋に「肉」と「ジャガイモ」と「タマネギ」、そして「熱く焼いた石」を突っ込み、しばらく煮えるを待ちます。「まだかなぁ♪」と期待に胸を膨らませる俺。そしてその側らには生首・・。「あぁ、家畜だけには生まれたくねぇ・・」。

「できたあ〜!」、これが遊牧民にとっての最大のご馳走「ホルホッグ」。付近に住む遊牧民もゾロゾロとやってきて群がっています。皆まるでハゲワシのようです(笑)。

お腹一杯になった我々は鬼狩りを開始! しかし前日の不調は続いており、3kmほど釣り歩くがレノックのアタリが数度あるのみ・・。
写真は2ピースロッドの先をぶっ飛ばしてしまい、やむなくフリチンで救助に向かう「ユウヤ君」(笑)。
しかし夕まずめ、俺に待望のアタリがっ! 急瀬でのなかなかスリリングなファイトを制し、釣ったのは
80cm5.4kg。

夕食はアウトドア料理の定番「カレー」(この日、毒蛇をゲットしたのですが、みんなの反対にあい、やむなく蒲焼にすることは断念しました。無念)。
食後、前夜に続き夜釣りを試みるがほとんどアタリなし。しかし、岩崎さんが2匹の良型レノックをゲット!(その後、「夜の帝王」と呼ばれるようになる)。

「4日目」
不調の「羊山」を後にし、キャンプ地を「地獄の底」に移すことにした我々。ここは大きな山の急斜面を下った末に現れる台地。サイドブレーキを引きながら草原の急斜面を下り、最後は横転を避けるため、山頂側の車体にぶら下がってなんとかたどり着いたその場所(写真からはあまり緊迫感が伝わってこないのですが、ここで横転したら下まで転げ落ちることになるでしょう・・)。はたしてここはパラダイスなのかっ!?

散々冷や汗をかいた我々は川に飛び込み汗を洗い流すことにする(4日も風呂に入ってないしね!)。写真は大自然の中で素っ裸になることに快感を覚えた「ショージ君(笑)」。

フリチンのまま執拗に奇行を繰り返す彼を放置し、我々はカマド作りに精を出す。大鍋、小鍋、そして炭火焼用の網を一度に使える完璧なカマドが完成しました〜!
この日から、ルアーを「シャロークランク系」から「ジタバグ系」にチェンジ! カンカン照りにも関わらず、それが見事にあたりレノックを次々にゲット!

しばらく川伝いに南下すると土砂崩れによって突破が困難なポイントにいたる。しかし、俺は「行き難い所ほど魚影は濃いぞ!」と言い聞かせ強行突破!
土砂、倒木、草むらが入り混じった難所を抜けると、川が大きくカーブし、大岩が転がるグットポイントが姿を現す。「マグナムラットアタット」で流芯を攻めると直ぐに
63cmのタイメンが飛び出す!
そしてその直後、ヒロさんのロッドが大きく弧を描いたぁ〜! 激流に耐え約4分後、3日目にしてついに初タイメンをゲットォ!
83cm4.3kgと初めてにしては上出来のサイズ! おめでとうございま〜す!

しかし、それだけでは終わらなかったのです。それはそこから約1kmの地点、俺が耐え切れず丘の上で野グソをしている時のことだった。川原の方からヒロさんの叫び声、そしてユウヤ君が俺のもとへ走ってくるではないかっ!
「あっ、ウンコしてるから!」と叫ぶ俺、「スンマセン、でもヒロさんにタイメンがかかりました〜!」と呟くユウヤ君。「今、行くぞ〜!」と伝え急ぐが、拭いても拭いてもウンコが中々取れないの・・。
結局俺が駆けつけた時にはタイメンは岸辺のシャローに横たわっていた。まあ、ドタバタしたけど、
85cm。ホントにおめでとうございま〜す!!
左写真、真っ二つになりそれぞれフックアップしていたジタバグジョイント。このタイメン、推定で90cmクラスの重量があったと思われ、中々のファイトだったに違いない(排泄中でそれを見逃すガイドって一体・・)。

その後、ジタバグ系が大当たり!! 特にヒロさんには一投ごとにアタリが続く!! 岩崎さんもレノックをゲットしお祭り騒ぎだぁ〜! しかし、喜びに湧く我々に不幸の影が忍び寄っていたとは・・。
ふと対岸を見ると二人の遊牧民が何やらわめきながら川を越えこちらに向かっているではないかっ! 「うわっ!酔っ払いだっ!」、遊牧民の酔っ払いに構うとホントろくな事がありません。ということで、必死に逃げ惑う我々・・。逃げても逃げても追ってくる遊牧民を何とか振り切ったころにはみんな傷だらけ・・(土砂崩れ地帯なので足場が非常に悪い)。疲労困憊でキャンプ地に戻ってきました。

そして夕食後、俺は密かに燃えていた。「なんとしてもお客さんよりデカイ魚を上げなければならん。それがガイドたるものだ!(なんでやねん 笑)」。
ということで、夜釣りを開始。ワレサキで上流部へ突き進み、お客さんより先にグットポイントを次々に撃っていった。そして川の中央部に大岩が位置するポイントをジタバグジョイントで撃って3投目、「ゴボォ」と出たっ! 激しいローリングジャンプを2度とも耐え、岸辺に抜き上げたのは
101cm8.1kgの小鬼。「わ〜い、わ〜い、お客さんよりデカイの釣ったぁ〜♪(こんなこと書いてこの先、客は来るのかっ?笑)」。
ロッド アマゾンフリップバリスタ(エバーグリーン)
リール コンクエスト201(シマノ)
ライン JIGGER 8HG 60LB(サンライン)
ルアー ジタバグジョイント + B.P.Baitペラ改
フック トレブル23ロングシャンク(がまかつ)
その夜はシャンパンを開けみんなで乾杯!! チョロートの夜は楽しく更けて行きました〜。
「5日目」
この日は「古都ハラホリン」まで帰らなくてはならなかったが、朝から小雨が続く最強のコンディション。そこで1時間ほど釣りをすることにしました〜!
前日好調だったジタバグを使い、すぐにヒロさんが
40cm弱のタイメンタを釣る!(このサイズが釣れるのは珍しいなぁ)。そして俺もタイメンをゲット! と思ったらバレちゃいました(推定80cm。前日101cmを釣った時のままドラグが緩んでいた。バチがあたったのね・・)。
久しぶりのグットコンディションを前にして、泣く泣くチョロートを後にした。

それから8時間ほどジープを走らせ、観光地「ハラホリン」にたどり着く。その夜は村外れを流れる「オルホン川」にテントを張った。
貧弱な焚き木を拾い集め、小さな石で苦労してカマドを作り、ゴミが散乱する川原での貧しい焚き火。すぐにチョロートに引き返したくなった・・。