ポイント
「その間」。それは、俺が5年におよぶチョロート川開拓で釣り歩いた約60km。その中で未だ手をつけていない約10km区間のポイント名である(距離はGoogleマップより算出)。
チョロート川を西サイドから攻めている俺にとって、西側に高い山が連なりその場所にはジープで入ることができない。また、大岩によって西サイドの川原が遮断されているため、川越をして東サイドから釣り下らなくてははならない未知の場所。
最終キャンプ地から5km地点で川を越え東サイドを10km釣り歩く。岩場を往復30km、「機動力がありながらなおかつ釣りのテンポが異常に速い釣り師」でなくては厳しい行程。俺が知る中でここの開拓についてこれるのは2人だけだ。その1人、「鬼斬られ師さん」と共にいざ出撃っ!
(5日目 8月16日)
左写真は出撃式の模様。この先とことん歩くというのに、やっぱりビールで乾杯!(笑)。 二人分の寝袋、そしてテント1式(モンベル社ステラリッジ4型)に調理道具。最小限におさえたつもりだが、ちょっとした荷物に…。右写真、MSRの小型ポットにカップ&スプーン2人分。日本茶・コーヒー・岩塩・ブイヨン2ケ、食材は自給自足だ。


最終キャンプ地から5km、「川越」までの行程でレノックを数匹ゲット!


そして、川を越え遂に「その間」に潜入だ! しかし、8月半ばといえど蒙古はもう秋。肌を突き刺すような冷たい水、下半身はズブ濡れでテンション急下降…。

道中、川原で食料を調達! 左、「ジムス」と呼ばれる木の実でビタミン補給(甘酸っぱい味)。右、ソングン(野生タマネギ。地中10cmに500円玉ほどのが埋まっているが、土が固く掘るのがシンドイの)。


そして、メインディッシュはレノックだ! これがもし釣れなかったら相当寂しい夕飯だったね…汗。

食料調達は順調に進む。しかし、肝心の鬼狩りの方はと言えば…。地形が起伏に富んでおらず、川の大部分がのっぺりと流れ変化に乏しいのだ…。
ポイントを求め前進を続けるが、この日、タイメンは鬼斬られ師さんが「ラットアタットハイパーソニック(エバグリ)」で釣った1匹(
74cm)のみ。

しかし、行程の2/3を過ぎた辺りから、TOPにレノックが面白いように飛び出してくるのだ。ポイント「その間」、そこにはまだ荒れていなかった頃のチョロート川が残っていた…。


そして8時間以上歩き続け、ついに15km地点の最終目的地にたどり着く。その距離約60km(距離はGoogleマップより算出)、5年間自分の足で歩きその全てを撃った。2本の「線」は1本につながり、そして「その先」に続いている…。
左写真、幻のキャンプ地「No.7」(たどり着くまで徒歩8時間…。もうここでキャンプをすることは生涯ないだろう…)。右写真、「汗を流す俺」と「さらに釣りを続ける釣りバカ鬼斬られ師さん」…。


付近の岩場には謎の巣。タルバガンにしては大き過ぎるし、これは一体なんの巣か…。


夕食はレノックの炭火焼、そしてその内臓に野生タマネギを加えたシンプルなスープ。

(6日目 8月17日)
早朝、突然鬼斬られ師さんの叫び声が川原に響く。かけつけると、その手にはタイメンがっ! それは、
世界怪魚釣行記プロデュース100匹目のタイメン!
70cmと小型ながらルアーはビックバドと世界怪魚釣行的な1匹。おめでとうございます!(自分じゃなかったのでちょっと残念だな 笑)。
「祝100タイメン」

朝食を済ませ、昨日来た道を足取り重く引き返す。とにかく辛い…。途中、ふと川辺に目をやると赤い尾がユラリと揺らぐ。すぐさまジョインテッドクローを投げ入れると
100cmジャスト! が、半日も歩き続け疲労困憊。表情は死んでいます…。

約26時間後、出発地点の最終キャンプ地に戻ってきた。友達の遊牧民のゲルで帰還を祝い焼肉パーティーを開催! 豪快に1頭丸ごと解体!


遊牧民式の塩だけのシンプルな味付けに飽きたら、日本からの補給物資「わが家は焼肉屋(キッコーマン)」を投入!


パーティー終了後、夕まずめにちょっとだけロッドを振ってみた。鬼が釣れずに「毒蛇」釣れた…(引っ掛けたんじゃなく、目の前でルアーを動かし続けていたらマジでバイトしてきた。おとなしい蛇だと思っていたが、ちょっと怖いぞ…。みんな、草むらを歩くときは気をつけようね…)。


7日目に続く!