6〜7日目 5月21〜22日
Aさんの知り合いの漁師が大昔150cmクラスのアカメを獲ったというポイントの脇にテントを建てた(漁によるもの。サイズは大体の目測と思われる。そのアカメを解体する時、鱗は農作業用の鍬で剥がしたほどの大物だったとか)。そのポイントは深い淵になっていて巨大な岩がいくつも沈んでいる。まるでナイルパーチを狙ったエジプトのナセル湖のような雰囲気で胸が時めく。
だが、冷静にポイントを観察すると、一発大物系のポイントでそうたやすくアカメが釣れそうなポイントには思えない。時間が無く、そして「とりあえずサイズは関係なく、釣れればいい」という俺には不向きのポイントに思えた。
四万十川が闇に包まれルアーを投げ続けるが、「予感」は全くない。たった1度、淵下流部のシャローで、ツルミノーにアタリがあった。ルアーが水面上に跳ね飛ばされ、回収したルアーを見るとわずかに傷が残る。その傷のつき方からおそらくシーバスだと思われる。それから3時間ほどルアーを投げて、挫折した…。
翌朝、スッポン鍋の残りを雑炊にする。スッポンエキスがしっかりと染み出ており、この料理が一番美味かった。

日中は四万十川の鯰探索。1匹でもいいから、四万十川産の鯰をジタバグで出したかった。本流はあまりの広さに断念し、地図を頼りに支流を探る。1本良さげな小川を見つけるが鯰の姿はなし。代わりに川底を這うスッポンを発見し、ラバージグで狙おうとするが、モノ凄い勢いで逃げて行く。スッポンは異常に逃げ足が早く、ルアーで狙うのは難しい。


河口付近は潮の影響をもろに受けていそうだったので、山間の中流部に車を走らせた。四万十川の支流の様子を見るが「清流」といった感じでジタバグが効きそうな感じはない。浅場に無数の小さな影をを発見し、暇つぶしに毛ばりを流すとカワムツやオイカワが面白いように口を使う。


しかし、堰堤のゴミ溜まりの上でジタバグをチョンチョンさせると、下から「バフッ!」と食い上げた。10分ほどポイントを休ませ、再度同じように攻めるとノッた!


清流鯰、遂にジタバグでGET!

さらに上流に向けて車を走らせると、川に流れ込む小さな川を発見。田んぼの中を流れるその小川は水質マッディ、水生植物も豊富でもろ鯰の釣れそうな川。水門からの流れにジタバグを乗せ、コンクリートの段差から突き上げるように鯰が飛び出す。


小川を遡ると、鯰のアタリが増えてゆくが、小型が多くどうもノラない。そして、300mほどで魚が住めないほどの浅場になってしまった。


水門に引き返した時は日没間際、本流部から小川に遡ってくる黒い影を発見し、最後に獲ったのはお腹でっぷりのイイ鯰(抜き上げ直後、ポルトガル人から国際電話が掛かって来て、携帯を片手に撮影)。

四万十川支流探索は17バイト4匹に終わる。四万十川流域は山が多くて鯰は釣り辛い。
夜は再びアカメを狙うつもりであったが、日没後土砂降りの雨になり断念する。今夜はテントを放置して民宿に逃げ込む。
本当は愛媛県の海沿いルートで広島に帰るつもりだったが、高知市に急遽予定ができて引き返すことになった。川沿いの山ルートで高知市を目指す。途中、昨日鯰を手にした水門に立ち寄るが3バイト1鯰のみ。

それにしても蛇が多くて嫌になる。右写真、真っ黒なボディの秋田では見たことのない蛇。いつもよりヤブこぎ力が半減する。


さらに上流部を目指すが、すぐに渓流になってしまったため、鯰釣りは断念する。
高知市に到着し、地図を頼りに鯰川を偵察していくと、鯉とボラが群がる流れ込みを発見する。夜、時間が空いたら攻めてみようと、カーナビにその場所を登録する。
そして、メバル用タックルで漁港巡りをしている変な珍魚が釣れた(顔にアイスジグが引っ掛かっていたので、スレかもしれない)。初めて見る魚なのでちょっと嬉しい。

そして夕暮れ時、お富さんの友達のホームレスの方に教えてもらったアカメポイントに入る。岸辺に巨大なボラが浮いていてちょっと驚きながら。
何も考えずに海外のバラマンディ&ナイルパーチ用ルアーをタックルBOXに詰め込んできたため、使えるルアーがほとんど無い。使えるのは1つか2つ。また、タックルも飛距離的にかなり厳しいことをすぐに悟る。
しかし、後から2人のアングラーがやってきて、俺がポイントに入っていることを確認し去って行った。そして30分後、もう1人のアングラーがやって来て、挨拶をして俺の少し上流部に入った。地元アングラーも通うポイント、その狭い1点にアカメはいるはず。川辺の杭になりキャストを続ける。

3時間ほどたった頃だろうか? 一人の地元アングラーが話しかけてきた。高知民はとにかく人懐っこくて面倒見が良い人が多い。その方に色々攻め方やポイントを教えていただく。やるべきことと場所は分かった。使えるルアーを2個ロストしたところで、悔いは少し残るが、清く身を引く。とにかく今のタックルでは勝負ができない。次回、完璧にタックル・ルアーを揃えてアカメのためだけにもう一度この地を訪れよう。
ということで、深夜の鯰釣りで四国の釣りを締めくくる!(笑)。日中の下見でめぼしをつけた流れ込みに立つと、汚いドブ川ではあるが、蛍が飛んでいて幻想的だ。「ドブ邪 1号機」を結んで1投目、受口の奇形鯰をGET!

そしてナイスボディの1匹に、小鯰。この一箇所で6バイト3鯰。もう少し高知市の鯰探索をしたかったが、夜も遅いので眠りについた。


釣り・漁・観光、どれか一つに絞りきれずに中途半端な旅になってしまったが、高知はのんびりしていて人が凄くイイ。必ずもう1回行きます! 四国怪魚釣行記、完。