10月12日
西日本に来たら、釣ってみたいと思っていた雷魚の一種、「タイワンドジョウ(別名ライヒー)」。スズキ目タイワンドジョウ科。学名:Channa maculata。自然分布は福建省以南の中国・台湾・ベトナムなど。日本には台湾から移入され、関西周辺・四国・沖縄の一部に生息している。下写真は、以前マカオ在住のサルビーノさんから投稿していただいた写真。マカオの隣、中国広東省での釣果。
そういえば、中国までタイワンドジョウを釣りに行こうと思った時もあったな…。

日本に広範囲に生息する雷魚「カムルチー」が最大で1mを超えるのに対し、タイワンドジョウは65cm程度まで。雷魚に興味がない人にとっては「カムルチーとちょっとだけ模様の違う、小さな雷魚」ぐらいの認識かもしれない。だが、この魚が生息していない東北に住んでいた雷魚マンにとっては、いつかは手にしてみたい憧れであった。
先月、
台湾に遠征した際、タイワンドジョウを釣りたいと思っていた。しかし、高雄在住の青木さんの話によると、生息数が減っており釣るのは難しいとのこと。結局狙う機会も無く、「なんか、日本で狙うのが一番確立が高そうだ」と思い始めた時、ネットでたまたまタイワンドジョウの釣果報告を見つけた。詳細はないが、「●●●●町」と地名が出ているではないか。「●●●●町ってどこだろう?」と思い検索すると、県名が分かった。広島から意外と近い。広島から某怪魚を狙いに行く場合、その町のすぐ近くを通過する。もう雷魚シーズンも終わりに近いので、来年の遠征計画を頭に描き、部屋にあった中国・四国道路地図を眺める。その町の周辺、40km四方には野池が数多くひしめき合っており、「この中のどれかに、まだ見ぬ魚・タイワンドジョウが棲んでいるのか?」と、心をときめかせる…。
どうでもよい前置きが長くなってしまった。つまり来年まで我慢できず、急遽行くことにした(笑)。10月12日、朝6時に出発するつもりが、寝坊して家を出たのは8時半…汗。朝の渋滞を抜け、高速に乗ったのは9時。12時には現地に着くとして、日没が18時だとすると、釣りをすることが出来るのは約6時間だ。雷魚釣りには十分な時間だが、到着してからタイワンドジョウの生息する野池を探さなければならない。6時間のうちほとんどはポイント移動に費やすことになるだろう。非常に微妙な時間だ。「時間の使い方を誤ったら、ボウズも有り得る」と焦りつつ、それがまた逆に面白いと思った。
高速を降りてすぐに一つ目の野池を見つけた。半分ほどカバーに覆われており、フロッグゲームが出来そうだ。しかし水質が酷く、水面はアオコで覆われている。1箇所目なので、とにかくこの地域の状況を把握しようと野池を1周してみるが、結局ウシガエルを1匹釣って終わる。時計を見るとすでに40分が経過していた(汗)。
4箇所目、全体がカバーに覆われた良さげな野池を見つけた。足跡がないことから、人が入っていない模様。期待してフロッグを操作するが、ウシガエルの巣窟じゃん。1投ごとにフロッグを追尾して来て邪魔なんだが…。

15時過ぎ、持ち時間の半分を費やし、15野池を周っていた。すでに●●●●町を飛び出して、隣の市まで来ているが、まだウシガエルしか釣っていない…汗。ここまで周った野池の中で、カバーに覆われておりとりあえずフロッグゲームが成立する所は3〜4割。人があまり入っておらず自然が色濃く残っている良さげな所になると1〜2割に減る。しかしそんな所でも、タイワンドジョウが住んでいなければ意味がないという。初めての場所を開拓するという楽しさが、焦りに変わり始めているのを感じた。
それからさらに1時間が経過した。依然雷魚系の反応はない。何となくタイワンドジョウの棲む野池さえ見つければ、勝負は早いと思っていたが、少し迷いが生じる。
とにかくランガンで数多くの野池を周ることだけを考えていた。じっくりと攻めている時間が無かったこともあるが、タイワンドジョウの性質は、生息域から考えてカムルチーとストライプスネークヘッドの中間ぐらいをイメージしていた。日本から西、東南アジアに行くに従い、雷魚はアグレッシブになっていく。タイワンドジョウはカムルチーより少しだけやんちゃな雷魚。ヘビーカバーに着くが、そこから出て来てルアーを果敢に追うストライプスネークヘッドの性質も備えていると想定し、フロッグの高速アクションで反応が得られると思っていた。とりあえずフロッグで反応を得て、居ることが分かったらじっくりと攻め、それでも乗らなかったらフォローでラバージグやノーシンカーグラブを投入し何が何でも獲る。タイワンドジョウのいる野池を発見するまではとにかく早い釣りを心がける。この作戦はミスだったのか? 第一段階となる「反応」が得られないんだが…。
焦りの中に諦めの感情が少し加わり始めた時、とある野池を見つけた。薄くもなく濃過ぎず満遍なくカバーに覆われ、しかも水深は無さそうだ。魚がいれば反応はすぐに出そう。

とりあえず流れ込み周辺に5〜6投し反応がなかったので、岸辺のシャローを撃つ。するとフロッグの背後の水面が「モコ、モコモコ〜」と波立ち、息を呑む。約2mを何かが追って来て、途中で引き返した。2投目、同じコースを通すと、「バフッ!」。夕暮れ時、ついに雷魚の捕食音が響いた。一瞬ためて、一気にぶち抜く。静かに足元に横たえ、魚体を確認し歓喜した。

見知らぬ土地でライギョ池を探索すること20池目。ついにタイワンドジョウをゲットする! フロッグはタイワンドジョウには少しサイズが大きいかなと思いつつ、反応チェック用に使っていた「Z.O.R」。

とっても嬉しかったので手持ち写真でパチリ。

余韻が冷めて、少し移動し岸辺を再び撃つと、足元で「バフッ!」。一気に抜き上げて、2匹目ゲット。写真を撮影しようと草むらに横たえたところで、ゴロゴロと転がってオートリリース。
気を取り直して、再び岸辺のシャローを撃っていくと、またまた捕食音が鳴り響く。3度目のバイトでがっちりとフッキング。

模様の美しいタイワンドジョウだった。

やはり雷魚系はポイントさえ分かれば勝負は早い。写真撮影時間も含めて約20分で5バイト3匹ゲット! 日没まで1時間を残しているが、本日はもう満足した。「さあ、広島に帰ろう!」(管理人、実は長距離ドライブが苦手ですぐに寝てしまう人なので…)。「知らないフィールドでまだ見ぬ魚を探す」のはホント楽しかった。無性にビールが飲みたくなって、コンビニで買って一人で乾杯。広島まで帰らなければならないので、ノンアルコールなんだけどね(笑)。

また来年、もっと時間を取って、のんびりとお邪魔します。2011年度の雷魚釣行、本日で終了!
「おまけの松茸」 10月13日
本日、秋田の実家から松茸が到着する! 親父が2日間で10本も採ったとか…。

松茸ご飯・網焼き・松茸酒、「あぁー、いいね〜」。秋田にちょっとだけ帰りたくなりました。

