9月13日
釣行4日目、延長戦に突入! 前夜の作戦会議で、朝一の高活性時にテンポ良く「呼吸撃ちエリア」を周ることを決めた。1箇所目、本流筋の広大なエリア。船を風任せに流し始めて間も無く、前方に呼吸を発見してすかさずキャスト。しかし、気合が入り過ぎてバックラッシュしちゃった(笑)。その隙を突かれ、エッグさんがキャスト。幸先良く、一投目でキャッチした。それにしても、釣り中はほとんど寝ているか食っているかのエッグさんに隙を突かれるとは、不覚だ…。

気を取り直して、集中力を高める。次の呼吸でキャストがばっちり決まって、俺にもヒット。朝一のイイ時間帯、Gスネークヘッドの活性は高く、ことごとく反応あり!

本流筋からワンドに入り、次の呼吸を待つ。開始から約1時間半、岸辺に倒木が沈むエリアにGスネークヘッドが浮いてきて波紋を作る。青木さんからおかりした「シュガーディープ110F」が波紋の先に上手く落ちた。Gスネークヘッドの気を引くために、グリグリ巻いてルアーのバランスを崩させ、水面で「バシャバシャ」と飛び上がらせる。そしてややスピードを落として潜らせ、リトリーブを開始。背後からGスネークヘッドが追って来るのが見て取れた。食いのスイッチを入れるためジャーキングを加えつつ、食わせのタイミングで瞬間的なストップを加える。直後、「グーンッ!」とロッドに負荷が掛かる。湖底に沈む倒木に潜り込まぬようやや強引に船に寄せ、網で掬ってもらう。ボガ量り5kg。美しく逞しい魚体。

この1本に満足し、呼吸撃ちはエッグさんに任せ、俺は優雅に水浴びをする。というのは嘘で、我慢しきれなくなって「秘技:水中立ち泳ぎグソ」の最中です…。水中に発射した瞬間に自分の排泄物から泳いで逃げなくてはならず、なかなか高度な技術を要する(のか?)。写真撮影、青木さん。

青木さん>近づいて撮らなくていいですから…笑。

結局、3時間近くを最初のポイントで費やし、第二ポイントへ向かう。昨日、2〜5kgクラスが3回連続でチェイスしてきた小さなワンド。既に日は高く上り、活性が悪いのか? 昨日の出来事が嘘のように静まり返っている。
その後は呼吸を探して流入河川を奥地へと遡っていく。チェイスは有るものの、バイトに結びつかず苦戦するが、なんとか小型1本を追加。

昼飯タイム。水餃子、ちまき(粽)、台湾風おにぎりロール「飯糰(ファントゥアン)」などなど。

時計の針は14時30分を指す。流入河川の奥地であまり反応が得られず、引き返そうと船を動かした時だった。エッグさんが何気なく岸辺にミノーを打ち込んだ。内心「なぜ移動しようという時にキャストを始めるのか? 時間の無駄ですから」と思った途端、エッグさんが「きたー!」と叫ぶ。「えっ? まじ」。でも、魚が走っている様子がない。「それは根掛りじゃあ…」と問いかけるが、エッグさんは確実に魚だという。そして間も無く、そいつは動き出した。
エッグさんがリールを巻くと、そいつはヨタヨタとすぐに寄って来て、ほとんど抵抗するそぶりを見せない。しかしボート脇まで寄って来て、一目その姿を見て「でかい!」。エッグさんは柔らか目のスピニングロッドでのんびりとファイトしていたので、暴れずに寄って来たようだ。
しかしボートの真下まで来た途端、大暴れを開始! ロッドを伸され、危うくラインを船べりに擦り付けそうになる。その後は言うまでも無く船上はてんやわんや、大騒ぎの末になんとかネットに納まった。ボガ量り、5kgのグットサイズ! 頭、でかっ!

それにしても、このタイミングでまさか釣るとは思わなかった。釣りは大好きな様だが、釣りに対する情熱が全く感じられないエッグさん(笑)。ボート上では、飯を食ってゴロリと寝て、たまに気まぐれでキャストをしてまた眠る。その類稀なテキトーさは釣りを一緒にしたことがある人なら知っている思うけど…。
青木さんに「エッグさんがキャストした時、また無駄なキャストを…、と思いましたよね?」と問いかけると、「ええ、実は…」と笑顔で答えた。誰もが無駄だと思ったその1投。エッグさんはそんな時にミラクルを起こす不思議な人なのだ…。

夕暮れ時、帰りがけの最終ポイント。目の前に現れた呼吸に合わせ、キャストがばっちりと決まる。サイズはイマイチだが、嬉しい追加。

苦戦が続いた今遠征だが、本日は2人で7本と満足のいく釣果。夜は豚耳料理をつまみにビールで乾杯!
9月14日
釣行5日目、鳥山頭水庫での最終日。朝一のイイ時間帯に「昨日エッグさんが5kgを釣った流入河川の奥地」を目指す。途中、呼吸エリアをチェックし、先ず一本。

しかしその後、同じく呼吸撃ちで掛けた2本をフックアウト。2kg前半の小型だったが、前日までの4日間、バラシが1回も無かっただけに不吉な予感…。
エレキで流し、昨日エッグさんが5kgアップを獲ったワンドに入ろうとした時だった。突然、前方約5mに空気呼吸するGスネークヘッドが現れた。すかさずキャストをすると、背後から5kgクラスがチェイスしてきた! しかし、気付いた時にはボートまでの距離は約2m。おまけにエレキで前方に進んでいたため、食わせのタイミングを入れる時間が無い。Gスネークヘッドはボートの真下まで来て、急速潜行していった。
「うわー、もったいねー。もう少し距離があったらな…」と悔やんでいると、再び呼吸するスネークヘッドが現れ、シュガーディープ110Fにチェイス! 今度はヒット。しかし、やはり距離が短く浅掛かりっぽい。推定3〜4kg。10秒ほどですぐにフックオフ…。


「なんか今日はバラシが多いなぁ…」と反省していると、前方約6mに「モヤモヤとしたオレンジ色っぽい物体」が水中に漂っている。「なに、あれ?」と思いつつ、もう少しボートが近づくと、生まれたばかりの稚魚ボールではないか! 小さ過ぎて動きがほとんどなく、気付くのが遅れた。慌てて「シュガーディープ110F」でボールを直撃すること2〜3投目、親魚が怒りに任せて追って来た! 推定5kgアップのママ。船の下まで追って来て、もうロッドの先からルアーまでのラインはわずか30cm。食わせる距離が足りないので、8の字を描いて強引に食わせようとすると「ガツッ!」と噛み付いた。だが、少し針掛かりして、すぐに外れる。無念…。
その後6kgクラスのチェイスがあるものの、掛かるのは小物ばかり。なんとか最低リミットとして設定していた「5日で15本(1日3本)」に届いたが、大きなチャンスをモノに出来ず、心が晴れないまま昼飯タイムになる。本日はチマキと餃子。

左写真、昼飯の後は恒例の水浴び。右写真、午後からエッグさんがカバー撃ちで1本追加。


その後は「無」。満足半分、悔しさ半分。烏山頭水庫の「ポテンシャル」と「厳しさ」を等しく実感し、竿を納める。
「やっぱり、この釣り楽しいなぁー」。もう一度だけ、戻って来たいな。

「台湾釣行記その4」に続く!