「アニョアセヨー」「こんばんわー」「ナイステューミィテュゥー」、空港で会った瞬間に3ヶ国語の挨拶を続け様に口にする。今回のお客様は韓国・日本・アメリカ人、名付けて「鬼狩り多国籍軍」だ!
(2日目 9月7日)
「さ、寒い…」、ツェツェレグのホテルを出発するとすぐに雪が降り出した。数日前に蒙古は急激に寒くなったが、とうとう氷点下の厳しい朝がやってきたのだ。

秋の荒食いパターンの終わりを心配するが、チョロート川に到着し2ポイント目、岸辺に大きな魚体を発見する!
1番手はフライフィッシャーマンのピーターさん。上流側からストリーマーをタイメンの鼻先に何度も通すがタイメンは全く反応せず…。「この荒食いパターンではフライの直線的な動きが全く効かない」ことを痛感。
2番手、GL工房のSさんが「ツルミノー130F」を下流側よりキャスト! するとガバッと水面を割って食ってきたっ! 激流に乗って身をよじらせながらタイメンは下流へと下る。70mほど引っ張られ、なんとかシャローに寄せた!
GL工房S様、赤鬼捕獲!

Sさん、ちょっと開高さんに似てますね…。そういえば、このタイメンの口元にはストームのミノーがついていました。もしかして、マレー軍団の時の魚かな?
興奮覚めやらぬまま下流に釣り歩くと、ピーター兄さんがグレーリングをGET! 綺麗でしょっ!


続いて60アップのランカーレノックをGET!


その後、手返しの早さの違いからフライ組みとルアー組みに分れての釣行。Sさん・ジョーさん・俺は土砂崩れの難所を乗り越え、この時期最強のポイント「鬼塚」にはいる。開始直後、Sさんのロッドが満月上にっ!
Sさん、再び!鬼捕獲。

一方、僕達。左、ジョーさんが99cm。右、俺が80後半。釣れるサイズがどんどん下がってるんですけど…。

(3日目 9月8日)
朝、テントから這出ると、「うわぁー、凍ってますわっ!」。1.5リットルのペットボトルを逆さにしても水がこぼれないんですけど…。どうりで寒いと思ったよ、ナベの水もカッチンコッチンでお茶を沸かすのも一苦労です。


日が高く昇ってから、ライトタックルで小物を狙う。ジョーさんがミノーで連続してレノックをGET! さすが韓国の厳しい状況下でレノック釣りをしてるだけあって、蒙古では楽々でした。右写真、蛇も寒いので岩場で日向ぼっこ。


昼飯はマレー軍団からさし入れしていただいたザルソバ! 草原生活も長いと日本の味が心に染みるんだよなぁ…。
昼食後、フライチームは「バッタパターン」で入れ食いとなるっ! 韓国人のパクさん、良型レノックを釣り上げご満悦です!


一方、ルアー組みの我ら。キャンプ地から1kmほどのシャローでSさんに鬼がヒット! しかし、水中に沈む岩にラインが擦れ痛恨のラインブレイク…。
気を取り直しさらに奥地へ進む。そして再びSさんのロッドが大きく孤を描くが数メートル走られフックアウト…。Sさん曰く、「一瞬水面を割ったそのタイメンは130cmぐらいあったのでは」とのこと。
しかしその後、三度Sさんのロッドが孤を描き、
90cm後半をGET! このタイメン写真では分り辛いのですが、今まで見た中ではトップクラスの「お腹デップリ、グットコンディション」。ヒットルアーは「ツルミノー」(このミノー、パプアでも思ったけど、イイぞっ!)。


そして、俺とジョーさんも続けざまにタイメンを手に!


帰り道、Sさんがツルミノーで良型レノックを捕獲。夜は骨酒を飲んでみんなヘベレケでーす! それにしても今回の多国籍軍、今までのお客さんの中でも最強の飲みっぷり! ウッカ三本ぐらいは直ぐに空っぽ…。ほ、惚れました(笑)。

(4日目 9月9日)
この日の大仕事はフライフィッシャーマン「ピーターさん」にタイメンを釣らせることっ! 実は俺、フライのことはさっぱり分らないので心の中では相当参っていたの…。2日目、フライにタイメンが全く反応しなかったしね。
キャンプ地から下流に歩くこと約1km。水深1mぐらいの緩やかな流れで三匹のタイメンを発見する! しかし、偏光グラスで観察し高台から指示を送り続けるが、タイメンは鼻先をかすめるストリーマーに全くと言ってよいほど反応しないのです…。1時間ほど攻めただろうか? 最後に俺が思いついたアドバイス、それは「フライロッドでミノーを投げてください! 目の前を通しさえすれば直ぐに釣れますから」です…汗(「これを見ているフライフィッシャーマンの皆さん、別のツアーを選んだ方がいいですよぉー!」。当ツアーは正直なので、釣れないものは釣れないと断言します 笑)。

疲労困憊、憔悴しきってキャンプへとトボトボ歩く。「あぁ、これから昼飯を作らなきゃならんのかぁ、ダルいわ〜」と思っていたら、遊牧民からホーショール(モンゴル風揚げ餃子)の差入れが届いていた! しかも中身は羊肉ではなくレノックとグレーリングで、チリソースとの相性抜群!
昼食後、「パクさんがフライでレノック爆釣」情報を耳にしたルアー組はライトタックルで小物釣りにトライ! 右写真、スピンムーブシャッド(エバーグリーン)でレノックを連続GET。


夕マズメ、前日Sさんが推定130cmオーバーをバラしたポイント「鬼塚」に入るが、この日はスレ気味。なんとか最後にジョインテッドクローで
97cmを捕獲するが、80lbでガンガン巻き過ぎたため痛恨の今期通算三匹目のデットフィッシュに…(リアフックがエラにかかり、大量出血)。

ぶっちゃけ「ミノーシェイプ」であれば、スレてない状況下極狭い範囲ではどんなルアーでも食ってくるこの時期。スレた状況下でも確実にタイメンを引き出すジョインテッドクロー、蒙古では完全に外せないルアーになりました!
(5日目 9月10日)
この日は友達の遊牧民の結婚式! 5年に及ぶ蒙古遠征で、結婚式に参加するのは初めての経験だ。ま新しい新居ゲルに25人ほどの親戚一同が集う小さな結婚式、アットホームでイイ感じでした。

写真中央が新郎の遊牧民。6月ツアーに参加してくれた純君&蛍ちゃん、「乗馬のお世話をしてくれたあの兄ちゃんが結婚したんだよー!」。

花嫁は横綱「朝青龍」似ですが…汗。
その後は近所で釣りを開始! 写真はSさんとパクさんがGETしたレノック。そして、ジョーさんが80cmクラスのタイメンを釣り上げる(写真は無しです。すみませ〜ん)。

帰りの道中、ツェツェレグでペストが発生していて、街が封鎖中…。一説によると、死者2人とか100人とか(その数の曖昧さがいかにもモンゴル的 笑)。
最後の〆はやっぱり露天風呂! 今年最後の仕事が終わり、正直「もうパリダカ並の移動と羊料理責めに苦しむことはないだろう」とホッとしました…。
今年度は9月12日をもって「Fishing Adventures Mongolia 2006」が終了しました! ツアーに参加してくださった方々、協力してくださった方々に深く感謝しております! バイルッタ!