父の受診日。
脳神経外科・脳神経内科・消化器内科と受診するので
最初から一日がかりのつもりで、
焦らず気持ちをゆったり持とうと努めました。
以前に脳神経外科で知り合ったご夫妻もいらしてました。
ご主人が父と同じシャント手術を受けていらっしゃいます。
顔色が良さそうだったので、
「お元気そうですね。
春が来ればもっと良くなるかもしれませんね。」
と挨拶すると、にっこりと笑っていらっしゃいました。
消化器内科を先に済ませて、脳神経外科に戻ってくると
いつもは開けっ放しの処置室のドアが閉まっています。
先程のご夫妻が入られているようでした。
看護師さんが
「緊急事態が起きまして・・・」
と、他の待っている患者さんに説明していました。
心配ではありましたが、どうすることもできず、
気長に受診を待ちました。
待合室で一眠りしたところで順番が来て、
診察室に入ると、いつもの先生が、
いつものように対応してくださいました。
きょうの予定を全部済ませ、
病院のレストランで遅い昼食を取り、
帰ろうと歩き始めると、
後ろから先程の奥様の呼び止める声がしました。
「驚かせてごめんなさい。
診察室で倒れ、そのまま亡くなりました。」
あまりのことに何と言っていいのか分からずにいると
「お宅は大丈夫。まだまだ元気でいられますよ。
私はこれから手続きがありますので。」
と仰り、入退院手続きの方へと去って行かれました。
本当に気丈な方です。
ほんの数時間前には、にっこり笑っていらしたのに。
脳神経外科で倒れても助からないときは、
助からないものなんですね。
ご冥福をお祈りいたします。

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