父の脳神経外科の受診日。
医師の説明が分からなくなってきました。
そもそも最初からよく分かっていなかったのかも。
今更なんだか聞けなくなってしまいました。
分かったところで、お任せするしかないわけですから、
もういいかとも思いますが、
私は付き添っていても何にも役に立っていませんね。
きょうは早めに終わったので、一緒に昼食をしてから、
母はカラオケ教室に行きました。
実家に着くと、父はすぐベッドの中へ。
私は「眠っちゃってもいいよ」と言いつつ、
「ALWAYS三丁目の夕日」のDVDをセット。
父は横になりながら観ていましたが、
鈴木オートがゴジラのように怒り狂うシーンから
起き上がって夢中になってました。
終わってから、私がティッシュで鼻をかむと、
父もそうしてました。
父も泣いていたようです。
オート三輪、スクーター、都電。
どれも父の記憶の中にしっかりとあるものです。
六ちゃんのような人が、我が家にもいて、
私はその人の背中で育ったのだと、
懐かしそうに話してくれました。
若い頃の苦労話を聴くうちに、
「お母さんがもう少し生きていてくれれば違ったかもね」
と私が言うと、
父は涙を浮かべながら「そうだな」と。
祖父は、私が18歳になる年に78歳で亡くなりました。
お葬式の時に、父は泣いていなかったように思います。
祖母は、私が生まれる前に49歳で亡くなりました。
父の涙を見たのは初めてのような気がします。
父にとって、母親との死別は、
一番悲しいことだったのかもしれません。

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