13時、父の棺は男性親族によって、
住み慣れた家から出され、斎場へと向かいました。
17時、私達が斎場に着いた時には祭壇が整っていました。
遺影は思っていた以上に良く出来上がっていて、
辺りを明るくしていました。
社交ダンスの写真が2枚、母とのモダンの記念撮影と、
先生とラテンを踊っているものが綺麗に飾られていました。
兄と一緒に観に行くはずだった
『ALWAYS 続・三丁目の夕日』のパンフレットと
父がいつも使っていた櫛が
最後に棺に入れる品物として棺の脇に飾られました。
18時、通夜の読経が始まり、予想以上に
たくさんの人が会葬に来てくださいました。
19時、お清めの席に行き、先ずは、
病院に見舞いに来てくれた父の姉と妹に挨拶すると、
「よく知らせてくれた。
きちんとお別れができて嬉しかった。」
「ダンスの写真が素敵だった。」 と言ってくれたので、
「母には花嫁衣裳の写真がないので、
記念に撮ったらしいですよ。
いろいろなことがあったんでしょうけど、
どうか今までのことは水に流してやってください。」
長らく会っていなっかた伯母達に、
血縁とは不思議なものだと感じながら話しました。

0