続いては、上岩・石楯尾神社から少し北に行ったところにある軍刀利(ぐんだり)神社を紹介する。この神社も、やはり祭神は日本武尊である。名前から連想されるとおり、戦前は武運長久の神とされていたが、現在は縁結びの神となっている。2つは、なかなか結びつかないが、神様の御利益も時代の要請に従って変えられていくのだろうか。
この神社、昔は軍荼利夜叉明王社と称していたようだ。
ネット上で見かけたある人の考察では、「軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)は、京都東寺の国宝像で知られるように、五大明王のうちの一尊。社名から想像するに、古くは軍荼利明王を祀っていたのではないかと想像される。恐らく明治の廃仏毀釈で、仏教色の強い明王が廃され、代わりに武神としての日本武尊を祭神としたのではあるまいか。案内板には、いつから軍刀利神社と称するようになったか記載されていないけれども、これも廃仏毀釈と軌を一にしているのかも知れない」ということなので、武運長久の神となったのも明治以降のことかも知れない。
また、ネット上では、グンダリとはクンダリーニのことであるという説も展開されていた。筆者もよく知らないが、クンダリーニ・ヨガなどは聞いたことがある。一応、クンダリーニの説明(?)。「クンダリーニとは、サンスクリット語で『とぐろを巻くもの』という意味。肉体内では脊柱の底部に宿っていると言われてきた。それは生命の根源的なエネルギーであり、中国で言う『先天の気』と同一視されてきた」。
境内は、三国山の中腹にある。元社は三国山の頂上にある。本殿から10分ほど登ったところにある奥の院の大桂はなかなか見事である。山梨県指定天然記念物となっている。
これが本殿とその付近で見かけたもの。
なんとなくではあるが、武運長久の神であった頃の軍刀利神社を残そうとする意志があることが感じられた。

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