この時期、藤野では柿が鈴なりになっているのを見かける。何とも言えず、絵になる風景である。絵になるだけではなく、実際に食べておいしい。頂くことも多く、柿はこの時期の我が家の食卓に良く上る。
柿マニアの連れ合いの話。連れ合いのフィリピンの友人は、柿を指して「マンゴーとパパイヤをミックスしたような味」と評したそうだ。熱帯のおいしい果物が沢山あるフィリピンの人が、柿をこのように絶賛していて「来る時には絶対に柿を買ってきて欲しい」と頼むそうだ。そんなに柿は凄いものなのか。
藤野に生えている柿だけでも色々な種類があるようだ。手近な所から、先日紹介した秋の牧郷収穫祭で買った、お尻が黒くて十字に割れている柿。
連れ合いが頂いてきた百目柿(ひゃくめがき)。確かに良く見ると年輪のような輪がいくつもある。これは、熟していないと渋いが、ジュクジュクになるととてつもなく甘みを増す。実家に送ってみた所、これまた柿マニアの父が感動して電話をかけてきた。父は、子どもの頃食べた甘い柿がどうしてもまた食べたくて、スーパーで高い柿を買ったり、ネットショッピングで全国から取り寄せてみたりしていたのだが、「これが、俺が子どもの頃食べていた柿の味だ」というのだ。意外に近い所に探し求めていたものがあったという、青い鳥のような話だ。


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