平日なのに、職場の都合で1日だけ夏休み。。最近、お寺付いていたので、この調子でもう少し寺を訪ねてみようと思い立って、ああでもないこうでもないと思い悩んだ末、神奈川県南足柄市にある曹洞宗の大雄山最乗寺を参詣することにした。
実はこの寺、私が小学生の頃に何度も行ったことがある。子供の頃は、夏休みは父の実家がある山梨県で過ごすのが通例になっていたのだが、叔母さん夫婦が毎月この寺に参詣していて、一緒に連れて行ってくれたのだ。別名を道了尊というので「道了さんに行くべぇ」てな感じである。
藤野からだと宮ヶ瀬湖を通って、厚木、伊勢原経由で2時間程。寺のある大雄町に入ると、門前町の雰囲気が漂う。山の中に入ると杉の大木が目立つようになる。駐車場は境内の脇にある。
開山から600年余。境内には見事な建築が。これは本堂と多宝塔。
結界門。両脇を天狗が固める。天狗は、山の神であるが、山伏のことも指すらしい。
本堂から最上部の奥の院まで階段が約500段。苔むした杉や石碑が立ち並んでいる。奥の院からさらに明神ヶ岳、明星ヶ岳へハイキングコースが通じている。
今回参詣して分かったのは、この寺には建築関係者の講が沢山あること。鳶で亡くなった人達の慰霊碑もあった。
この寺の開祖、了庵彗明禅師は、通幻禅師の弟子である。曹洞宗の寺院は全国に1万5千寺と言われるが、その内の何と9千寺が通幻門下(通幻派)と言われている。最乗寺は東国における通幻派の一大拠点だったのだ。
通幻派は、全国各地で積極的に公共事業を行って人心を掴んだと言われている。だから建築関係者の信仰が篤いのだろう。現世利益と信仰の接点を垣間見た思いがした(そう言えば、私の叔母さん夫婦も建築関係者だった)。


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