この週末は、昨年に引き続き、新潟方面に山菜キャンプに出かけた。なかなか日程が合わず、雨にもたたられたりしながら、梅雨の半ばになってしまったが、果たして山菜に出会うことはできたのか?
18日、八王子駅南口に集合して、一路新潟方面へ。とは言っても、この時点でどこの沢に行くかは決めていない。究極の行き当たりばったりである。地図とにらめっこしながら、南魚沼郡湯沢町にある日白山麓の地玉堂川に行くことになった。理由は、車で比較的標高が高いところに行けること。この時期、山菜は標高が高いところに行かないとないのではないかという判断から。
しかし、関越トンネルを抜けると、無残にも雨が降り注いでいた。地玉堂川(標高約1000m)にも行ってみるが、かなりの降り。しかも沢の水が涸れているようである。仕方がないので、町営の日帰り温泉、街道の湯へ。温泉に入って、休憩所で仮眠を取って、16時頃起きるが、まだまだ降っている。「これは絶望的か」と誰しもが思ったが、同行者Kさんが、「weather news有料版の情報では後10分で曇りになる」とのこと。そんなことあるのか?と思ったが、本当に曇りになったので、びっくり。「ちなみに無料版では、後1〜2時間は雨が降り続く」との予想。有料のほうが確度が高いということか。なんだか良く分からないが商売上手である。
さて、気分を取り直して進路を北東にとり、大源太山麓の足拍子川(標高約600m)に目標を定めなおした。着いてみるとなかなか良い雰囲気である。
しかし、到着した時点で17時は過ぎていて、これから日が暮れるまでに山菜が見つかるのか。林道沿いに歩いていると、根曲竹がちらほらと。後はミズ(ウワバミ草)や鳥足がちょこっと。やはり時期遅れかと思ったが、川の対岸に崩落地を発見した同行者S氏が、「ああいうところには独活(ウド)が良く生えるんだ」と。目を凝らしてみると、実際に生えているではないか。
しかし、現場は御覧の様に砂でぼろぼろな超急斜面に石が所々嵌っているような状況で、時々落石が起きている。S氏と私で、慎重の上にも慎重を重ね、なんとか採ってくることが出来た。
これが本日の収穫。左は皿にしようと思った朴葉、真ん中根曲竹、右が独活やその他。
気がつくとあたりは暗くなっている。滑り込みセーフで、山菜の天ぷらに舌鼓を打ちながら、焚き火をして夜は更けていった。
と、ここまでなら普通の山行報告なのだが、福島第1原発の事故以降、世界は変わってしまったというべきか、呑んでいても話題の中心は原発のことや、震災の復興について、社会はこれからどうなるのか、どうしていけばいいのかということだった。
ドイツ放射線防護協会が3月20日付で発表した「日本における放射線リスク最小化のための提言」では、「日本国内居住者は、当面、汚染の可能性のあるサラダ菜、葉物野菜、薬草・山菜類の摂取を断念することが推奨される。」と述べられている。
http://icbuw-hiroshima.org/wp-content/uploads/2011/04/322838a309529f3382702b3a6c5441a31.pdf
この情報は事前に知ってはいて、どうしようか考えたこともあるが、「自然を楽しめない」というのが何とも癪で、あまり深くは考えないで山菜キャンプに来た。深く考えるならば、その地域の空間線量や土壌汚染度を知った上で行動を決断すべきなんだろうが、そういうことを考えること自体がストレスになって楽しめないのが嫌だなぁ、というその程度の認識だったのだが。
実際には、新潟辺りは原発周辺や関東圏に比べて汚染度は低いのだろうが、関越道を北上中に、通過した群馬県の沼田市にホットスポットがあることが話題になったりした。その意味で、絶対に安全というわけではない。
美しい夕焼けを見ながら、この大地が放射性物質に汚染されているということが夢であるならば、とふと思った。

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