この週末は、軽井沢に泊まって近隣を旅するという贅沢な機会に恵まれた。美味しい蕎麦を食べたり、温泉に入ったり、イベントに参加したり、名所を巡ったりしたのだが、強く印象に残ったものを紹介したい。
旅の基点は、長野県小諸市。ここには、「牛に引かれて善光寺参り」で有名な布引観音がある。知っている方も多いと思うが、ざっとおさらいまで。
昔、無信心なお婆さんが白い布を木にかけて千曲川で洗濯をしていると、急に現れた牛が、角に布を引っかけて走り去ったので、慌てて追いかけて布を取り返そうと引っ張ると、そのまま牛に引きずられてしまい。気がつくと長野市の善光寺まで来てしまった。善光寺で牛は突然消え、お婆さんはその牛が仏様の変わり身だと気づき、無信心だったお婆さんはその日から、心を入れ替えて信心深くなった。
ある日のこと、ふと布引山を仰ぎ見ると、岩角にあの布が吹付けられているではないか。老婆は何とかして取り戻したいと思ったが、断崖絶壁で取るすべもない。一心不乱に念じているうち、布とともに石と化してしまったという。布引山の断崖には今も白く布の形をした岩肌が眺められる。
寺伝によると、奈良時代に行基が開き、現在は天台宗布引山釈尊寺というのが正式名称である。千曲川沿いの無料駐車場から20分ほど登る。
参道沿いには滝やら岩やら、石仏やらが次々に現れる。これは牛岩。
これは善光寺まで通じているといわれる善光寺穴。善光寺が火事になった際には、ここから煙が出てきたと伝えられている。
登りきったところにはまず本堂。観音堂に向かう途中、室町時代に建てられた白山社が岩壁にめり込むように立っている。
観音堂に至る道。
観音堂遠景。見事な土台があるのだが、撮影は困難だった。
先月の北向観音と合わせて、図らずも善光寺に縁のある寺にお参りすることになった。私は昨年参詣したのだが、その内、また善光寺に赴くことになるのかも知れない。

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