30代最後の日である今日、新車で新潟県南魚沼郡湯沢町に出かけた。主な目的は、貝掛温泉に入ることとへぎ蕎麦を食べることである。本日の湯沢町の最高気温は−3℃。一日中雪であった。私は自動車運転免許をお隣の六日町自動車教習所で取得したのだが、こんな本格的な雪道をマニュアルで運転するのは、その時以来である。
関越自動車道を北上し、群馬の北の方から雪がちらつき始め、関越トンネルを抜けるとそこは雪国だった。湯沢ICで下車し、貝掛温泉に向かう。
温泉の駐車場にて。
貝掛温泉は、巡礼中の白雲禅師により開湯されて以来、700年の歴史を持つと言われ、戦国時代には上杉謙信の隠し湯として、江戸時代には眼病に効くとされてきた。現在は、日本秘湯を守る会の会員にもなっている。
男湯の内湯。右の狭い方が加温している熱湯。注ぎ口の上には白い観音様が。
これが露天風呂。源泉は35〜36℃なので、私好みのぬる湯である。露天の湯は、雪でもう少し温度は下がっているだろう。寒いためか、源泉露天風呂にはもったいないことにほとんど誰も入りに来ないので、独り占めさせて貰った。
貝掛温泉の帳場には般若心経が掲げられ、露天風呂には不動明王が奉られている。昔、眼病を治すために湯治に来た客達は、男女混浴で、みな般若心経を唱えながら湯に浸かったと言われている。湯の温度と言い、雰囲気と言い、まさに好みの湯で、またこの雪の時期の景色が素晴らしい。この冬に宿泊に来ようかなと思わず考えてしまった程である。
湯を出てから、越後湯沢駅前の手打ち蕎麦屋「しんばし」へ。
ふのりをつなぎに使ったへぎ蕎麦と舞茸の天ぷら。へぎ、というのは蕎麦を乗せているこの器の名前である。これで2人前。麺は腰が強く、太めである。天ぷらは極めて美味!
仕上げには蓬の若葉を使った不動餅。雪国故か、温かい饅頭であり、これまた極めて美味! 蕎麦湯と食べると美味しいのだそうである。
再び関越自動車道に乗り、2時間半ほどで藤野へ。年末の忙しい最中だったので、僅か3時間程の滞在であったが、十分過ぎる程の非日常だった。

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