先週末は、信州・上田の霊泉寺温泉にて松茸尽くしを堪能し、秋晴れの下、塩田平を散策した。塩田平は信州の鎌倉とも呼ばれ、神社仏閣が多く、紅葉も見事で、子どもも自分で写真を撮りたいと言うことで何枚か撮影した。以下が子どもが撮った写真である。
さて、塩田平には戦没画学生慰霊美術館として有名な無言館があるが、最近その近くに俳句弾圧不忘の碑が建立され、檻の俳句館が開設された。
俳句弾圧とは、1940年2月14日から1943年12月6日まで、当時の戦争・軍国主義を批判・風刺した俳句や反体制的な作品を作ったとして、少なくとも計44人の俳人が治安維持法違反容疑で検挙され、うち13人が懲役刑を受けたという事件である。
俳句弾圧不忘の碑は、彼らの犠牲と苦難を忘れないことを誓い、再び暗黒政治を許さず、平和、人権擁護、思想・言論・表現の自由を願って、今年2月に建立された。
題字を揮毫したのは俳人の金子兜太だが、惜しくも除幕式の前に98歳で亡くなる。
檻の俳句館では弾圧された俳人の句を鑑賞できる。入館は無料で火曜日休館。
檻の俳句館では毎月第4日曜日に館主マブソン青眼さん主催の「檻の会」が行われるが、私達が訪れたのは丁度その日に当たり、青眼さんや参加者と少し交流することが出来た。
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これは、2014年にさいたま市の公民館だよりに掲載を拒否された俳句である。これまで俳句会が自薦した句が公民館によって拒否されたことは一度もない。拒否した理由は「世論を二分するような俳句は、公民館の意見と誤解されるおそれがあるから」というものだが、これは検閲に当たるとして、作者は訴訟に踏み切り、今年5月の東京高裁判決で「人格的利益を侵害して違法」との判決が下される。しかし、さいたま市は未だに作者の求めに応じて公民館だよりに俳句を掲載しようとしていない。
この事件が戦前のような思想・言論統制の導水路となることを危惧し、「小さな一句」の尊厳を守るために、「9条俳句」表現者声明実行委員会が、掲載を求める運動を展開している。
実は、私が交流した句会の参加者は、その実行委員会の方であった。今の時代の課題として考えたい問題である。

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