甲州街道を大垂水峠を越えて高尾方面に向かう途中、峰の薬師という看板を見かける。前々から気になっていたのだが、この度行く機会に恵まれた。ここは、江戸時代には日向薬師、高尾山薬王院、新井薬師と並んで武相四大薬師と言われ、現在は関東ふれあいの道として整備されている。どんな所だろうと思っていったのだが、これがかなりの期待外れに終わってしまったのだが。
津久井湖から県道に入って暫く行くと、峰の薬師の古い看板が。ここを上がっていくと林道に入るのだが、コンクリートで舗装された道が全く修復されていない様でバラバラのでこぼこ。こんなに酷い道は経験したことがない。単なる土の道の方が走り易く思われ、愛車ジムニーの性能が遺憾なく発揮された。トホホ。
境内らしき所につくと、お守りや野菜(大和芋、菠薐草)を売っている。お爺さんから声をかけられ、大和芋を買うと菠薐草をおまけするとのこと。大和芋はいらないと思ったので、菠薐草を買おうかと告げると、10束近く全部買ってくれと言われる。こりゃ押し売りだと思って、1束のみ買う。
境内には、姿三四郎決闘の場との石碑が。しかし、これは小説の話である。
明応元年(1492年)に創建と伝えられる本堂と奥の院はどんなものだろうと思ったのだが、何と両方とも鉄筋コンクリート製であった。写真は奥の院。
いつ作ったのだろうかと思われるハイキングコースの案内板。
どうやら、武相四大薬師という過去の名声を頼りに、今から40年位前に本堂や奥の院を鉄筋コンクリートにして、観光地化を狙ったが、大失敗したというところだろうか。当然ながら、私の他には誰もいない。ここまで来ると御利益どころか、薬師さんの方が痛々しく思えてくる。この場所で、唯一感動したのは、城山町や津久井町、相模原市内、そして遠くはどうやら横浜まで通ずる眺望である。これを読まれている皆さんも、機会があれば訪れてみて下さい。


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