昨日はお昼から姫路城の近くの兵庫県立大学というところに行って、ひょうご在来種保存会の講演会を聴いてきました。
本や雑誌の記事で読んだことのある西村和雄さんという私が勝手にお世話になっていると思っている方の講演や、実際に県内で自然農を実践されておられる牛尾武弘さんと田中秀樹さんという方の講演があったのですが、結果を先に言うと本当に聴きに行って良かったと思いました。
ひょっとしてこれでいいんちゃうんかなと普段からなんとなく思っていることが、実はもう何年も何十年も実践されている方がいて、説得力のある言葉に、背中を押していただいた感じになりました。やっぱり自分がやりたいことをやっていかんとね。
いっちょやったろか〜といった気分です。
でもまだまだ勉強です。
私はうちの野菜が、今まで食べていたスーパーの野菜より美味しいと思っています。お客様にも美味しいと言っていただけてとても光栄に思います。しかし正直に告白しますと、現時点では私の農業技術はド素人レベルです。私が美味しいと思うのは単に個人的な思い入れに過ぎず、お客様に良く言っていただけた点にも、とてもじゃないけれど胡坐をかいてなんていられない気分です。
安全・安心・美味しい野菜を作るには何と言っても土づくりなんだと思います。私のお借りしている畑は、まだ畑にして一年目です。しかも作っている人間が農業一年目のド素人なんだから、野菜を美味しいと言ってもらえるとするならば、その野菜が種の時から持っていた個性が単に上手く出たのだろうと思うのです。私がしたのは、単にその作物を眺めていたに過ぎないんです。私が介在しているのは、作物を作りながら、同時に土作りができていくのか試行錯誤していること、周りの方から私の為にあれをせいこれをせいと助言をいただくにも拘わらず殆ど何もしないか、或いはほんの少しにしておく判断ぐらいで、自分の腕一本で作ったなんていう自負は全く湧いてこないんです。お客様に良く言っていただく時も、笑顔でお礼を言いますが、内心はドキドキもんなんです。私の技量から言いますと、作物がその持った個性の味が出てくれたら御の字なんです。竹内農園の野菜を買ってくださっている皆様、何とも頼りない奴だとお思いになられるかも知れませんが、本当のところはこんなものなんです。
ただ、野菜の殆どは水分です。去年のうちのきゅうりや茄子が美味しかったのは根が土から吸い上げた水の美味しさの分だと思いますし、去年のうちの牛蒡や落花生や黒豆や生姜や里芋が美味しいなと思うのは土の味や香りの分だと思うのです。その点に於いても、作物を作る上では、土作りが命なんだと確信します。だから私は作付けをしながら、一年目より二年目の方が良い土になっているという野菜の作り方をしていきたいと思っています。
今回の講演会に参加させていただいて、これから自分が試してみることのたくさんのヒントをいただきました。よっしゃ〜、やったるで〜!
それにしても、西村和雄さんという人は、ごっついこわもてな人なんだと思いました。熱いハートと曲げない信念がオーラに滲み出ていたけれど、時折見せるいたずらっ子の様な顔がなんとも言えず好感を抱きました。
私もこれから年を取るというのは、こんな風なオヤジな感じでやっていきたいなと思ったのでした。
牛尾さんから譲っていただいた自家採種した種。私はここから種を増やしていきたいと思います。