先日夕方の保育園、
やかんに汲んだ水を築山の上から流して遊んでいる娘がいた。
もう帰ろうと言ってもなかなか止めない。
でも実は自分もこういう事やりだしたら止まらない性質だった。分かる気がするので早く帰りたいけど、見守っていた。
見とってやあ、と言って上からジャアと水を流すと、勢いよく流れ落ちる水が、急斜面の築山を深く刻み込んで流れ落ち、彫られた土砂が高度差のある滝を落ちたかと思うと、滝壺に溜まって溢れると、また次の滝を流れ落ち、谷間は深く刻まれて、何段にもわたる滝が、日本の様な急角度の土地構成の模型を見ているかのようだ。
急斜面の山の麓は巨大な扇状台地を構成していて、その緩い斜面の中を浅い谷筋が、土砂を堆積させながら水を運んでいた。
大変面白かったのは、次に娘が水を流した時に、一気に水を流したからだが、渓谷を流れ落ちた土石流が、扇状台地の浅い河川を半ば埋めてしまって溢れ出し、突然思いもよらぬ方向に流れを作りだし、駆け下りて行った。下流部に新河川が出来る瞬間を模型ながら見ることができた。今は護岸工事がすすんで、あまり起きなくなったが、過去の日本は村が消滅してしまうほどの大洪水と新河川の出現を、この模型の幾億倍もの恐ろしさで経験したのだろう。
帰りしなに、保育園の先生がにこっと微笑んで、お父さんも今度体験で入園してみたらどうですか?と言われてしまいました。