作曲家の三木稔先生が、亡くなられました。。
享年81才。
オペラや現代音楽や邦楽の楽曲を膨大に残され、
芸術祭大賞や紫綬褒章を受けられた世界的な作曲家です。
長いあいだがんと戦われ、ここのところはずっと穏やかな日々を過ごされていたそうですが、昨日の朝静かに旅立たれました。
三木先生は1964年の日本音楽集団創立メンバーの一人で、
集団のために珠玉の名曲を それは数多く書いてこられました。
三木先生の曲はとてもアグレッシブでトンガっててカッコよくて、
それでいて涙の出るような美しいメロディがそこかしこに。。。
また、演奏家に対してはギリギリのところまで技巧を求めていて、
われわれは初めて見た譜面に
「何これ〜〜、ぜったいむり〜〜

」 とか思うんですが、
じっさいに音出しをしてみると 「おおお! できないことはない。」
それこそ100回でも必死に練習すれば 何とか可能なラインを
三木先生は知ってらして、いわば
確信犯で書かれるのですな。
もう、練習しててナミダがちょちょ切れるような曲ばかり。
でもそのおかげで三木先生の曲には、
どんだけ鍛えられたことか。。。。
わたしは、集団およびオーケストラ・アジアで、それから
近年ではオーラJの助演に呼んで頂いたり、
ずいぶんご一緒させて頂きました。
新人のころ、三木先生の曲があんまり難しくて
本番中に眉間にシワを寄せてたらしく、三木先生から
「演奏中はこわい顔をしてちゃだめなんだよ」 と言われました。
それからはつとめてヘラヘラ・・? いや笑顔で弾くように心がけ
先生はやがて 「あなたは弾いてるときの顔がいいねぇ」 と
ゆってくださるようになり、どんなに嬉しかったか。
おととし、集団定期をプロデュースし先生の曲をやったときは、
ウチアゲにも来て下さり、いっぱい色んな話をしました。
この人は自分にも他人にも厳しくギリギリの部分を求めている、
それ故 いくつかの場所で人とぶつかることがあるのも事実で
けれど少年のようなまなざしで色んなものを見つめていて、
本当に音楽を愛しているんだなぁ、としみじみ思いました。
来月は、三木先生のふるさと徳島で、
オペラ「じょうるり」 に出演する予定です。
できることなら、三木先生に聴いていただきたかったなあ。。。
なぜだか今日は私の誕生日。
今夜は
ポテコ袋食いまつりをしながら、
先生のことを思い出し、献杯いたしましょう。
三木先生、長いあいだ本当にお疲れさまでした。
これからも私たちは先生の曲を 汗かいてヒーヒー言いながら
弾き続けていくことでしょう。
心から感謝を申しあげます。 どうぞ安らかに。