映画 「風立ちぬ」 を観ました。
宮崎アニメでは珍しい、大人で実在のひとが主人公デス。
その声をつとめる庵野秀明氏の是非をふくめ
賛否両論いっぱいわき起こってるようデス。
飛行機バカの主人公、堀越二郎の青春。
ただひたむきに「美しい優れた飛行機を作りたい」という夢を追う。
そして、二郎を愛する女性、菜穂子の思い。
「結核だけど、二郎と結婚してそばにいたい」
関東大震災、貧困、戦争と続く困難な時代を
若者たちがどう生きたのか?
その姿が、風や雲や森や飛行機、恐ろしい地震のシーンも含め
圧倒的な映像で描かれ、しかし淡々と時間が流れていきます。
なんと人間の肉声が効果音をやっています。
地震の地響きや機関車の音、飛行機のプロペラ音など。
「ぐわああ」 「どんどんどん」 「ぷしゅう」 「ぱらららら」
最後のエンドロールで荒井由実の「ひこうき雲」が流れる中
満員の客席が誰一人席を立たなかったのにはビックリでした。
きっと感動したひとも、深く考え込んだひともいるんだろうなあ。
以下は私のかってな感想であり、(ネタばらしはしませんが)
これから観ようというかたにはさしさわりがあるかもなので
よろしこでつ。 m(_ _)m
とっても、美しくて悲しい映画です。
登場人物たちの夢も情熱も愛も、すべて滅びに向かっていきます。
それでも、「生きねば。」 という、宮崎監督のメッセージ。
そしてもう一つ描いているのは、人間のエゴだと感じました。
二郎が夢を追い続けたってきれいごとだけではすまない、
夢だから、仕事だから、いいってことではない。
どんだけ純粋でも、いい大人なんだから
戦争に使われ、人の命を奪うことを知らないはずはない。
それでも、とにかく飛行機を作りたいんだ、という夢を追うエゴ。
かれの作った零戦は戦場へと飛び、帰ってきた者はいなかった。
一方、ヨメは重い結核にもかかわらず、
かれのそばにいたい、という愛を優先させる。
気持ちは痛いほどわかるけど
これも女のエゴ。
それでも、それが人間なんだろうなあ。
この映画のテーマは、観る人によって色んなテーマがあるのかも。
もっとも大きなテーマは、
「生きねば。」 「生きて。」 という呼びかけですが、
私にとって、この映画のテーマはこう受け取りました。
清濁あわせ飲んで、生きてゆくこと。
邪悪なものも、暗いことも、他人を傷つけることも、
どうしても避けられないことがある。
それでも、そんなことも全部引き受けて、
その中でできる精一杯を生きてゆくこと。 と、思いました。
以上でつ。 ( ゚◇゚;) ハアハア・・・ 語るねー わし。