セルモーターが回らなくなった、回転が遅いそんな場合はセルモーター内部にオイルが回ってしまっていることがほとんどです。
今までは惨状ばかりの紹介でしたが、今回はビギナー向けにO/Hの注意を書きたいと思います。(プロ、メカに強い方向けとして販売していますがビギナーの方が買うこともあり間違えて壊してしまっては意味が無いですから)

たいがい開けてみるとこんなことに.........

ブラシの部分はひどいことに........

さて、分解しますがまずはきちんとした工具は必須です。(まさか車載工具でやる人はいないと思いますが、合わない工具、摩耗した工具で壊す場合もあります)
+ビスをはずしボディを分解します。
大変なのはフロントブラケット部分です。遊星ギアが付くシャフトのクリップを外し
シャフトを抜きます

このシャフトはベアリングに圧入されていますから
必ず油圧プレスかバイスを使いうまく抜いて欲しいのですが
無い場合、ケースをきちんと保持して(割らないように)
プラハン、銅ハン(キズをつけないように)を使い叩いて抜きます。

外れたら、オイルシールを外し、ベアリングを留めているクリップを外します。

ベアリングはそんなに固くはないので軽く叩いて外します。

次にアーマチュアのコンミュテーター部分
画像のように酷く摩耗している場合、このままブラシを新しいものにしても接触面積が足りないため上手く回りません

修正する場合回転する部分なので真円に加工しないといけません
工作機械で加工します。

分解、洗浄、修正が終って組む段取りが出来ました。
どの作業でもそうですが、あわてずに確認しながら作業します。
分解時にデジカメなどで写しながら作業すると組立時わからなくなっても安心です。
(※洗浄にはパーツクリーナー2〜3本は覚悟してください)

ベアリングを挿入します。
ベアリングを打ち込む際は外周を挿入する場合は外輪に力を加える、シャフトを通す場合は内輪に力を加えることです(基本ですよ〜)
間違えると傷を入れてスムーズに回らなくなることもあります。

クリップ、オイルシール(向き注意)とばらした逆に組んでいきます。
次にシャフトの挿入ですがケースを保持してシャフトに力を加えてはいけません
外輪が保持されて、内輪に力が掛かりますからNGです

上手く合うカラーなどを使ってシャフトがすんなり通り、ベアリングの内輪が保持される環境を作ります。
そこから油圧プレスやバイスをうまく使い挿入します。
万一叩いて挿入する場合は充分に注意して、上手く治具を使い挿入してください。

クリップを溝にはめて出来上がり

遊星ギアの部分は程ほどにグリスを充填(あんまり詰めすぎると回転が重くなる)
外周のギアを合わせるピンの紛失に注意

ブラシは事前に厚紙を使いスプリングが効かないようにしておく

ブラシホルダーとケースをあわせる溝に注意(画像左斜め下)

リアカバーのアーマチュアが入る部分にグリスを塗布
前後のワッシャーを間違いなく入れ(無くす方が多いです注意!順番も有るので注意)
慎重にあわせマークを合わせ組みます。
最後に動作テストをしますがブースターケーブル(ジャンプコード)などで単体でテストをして問題が無ければ車輌に組みます。
くれぐれも云いますが、自信のない方は壊す前にショップに依頼してください
自己責任においての作業をお願いいたします。
作業環境も部品を落として無くさないような環境、必ず一つ一つ慎重に作業すること
どんな小さな部品でも単品では販売していないものが多く使われています