今回お越しになったCB400F
メインのご依頼はブレーキの引きずり、Fフォークのオイル漏れ、エンジンのオイル漏れということで修理予約
実際、拝見すると一目でコンディションが悪そうなので「総合点検」も追加
さて、作業に掛かってみると不具合箇所がてんこ盛り
Fフォークはダストシールを外すと中には砂が.....
ダストシールが磨耗し径が広がり、漏れたオイルに付着した砂埃を内部に取り込むことに......
インナーチューブに点錆びも多く、オイルシール、ダストシールにダメージを与え続けることになります。

あわせてステムベアリングも何箇所か傷が入っているようで、フロント周りを浮かせてハンドルを動かすと何箇所も引っかかるところが......
問題の引きずりを起こしたブレーキ
諸悪の根源はここ何年もシール、インナーキットを交換したことが無いだろうブレーキ周り、キャリパーのシールの溝にはフルードの劣化変質した堆積物がシールを押して
ピストンの動きを悪くします。

シールの表面がでこぼこなの分かります?堆積物の跡です。
ピストンにも錆びによるクレーターが......

マスターシリンダーインナーキットもこの有様
針の穴のようなリターンポートを詰まらせる可能性大です。
エンジンのオイル漏れはシリンダーヘッドガスケット部をメインにヘッドカバー面、エンジン左側とあらゆるゴムパッキン部分からのオイル漏れ
とくにヘッドガスケット面は作業にあたりシリンダーが浮いてしまうかどうかで内容が異なってきます。
万一、浮いてしまえばシリンダーガスケットも交換、シリンダーを外す為ピストンリングも交換します。(均等に磨耗するわけではないので、再使用の場合オイル上がりを引き起こすリスクが伴います。)

残念ながら、浮いたため漏れてきたので開けることが決定

Lカバー内も至る所からオイル漏れ、特にミッションシャフトのオイルシール外周から漏れることが多く、本来はエンジン全バラ交換が必要ですが、予算の無い場合は、液体パッキンで応急処置することになります。セルモーター、オイルポンプなどはOリング交換で対応します。
ワイヤー類、ビニールテープで補修してあり何かと思ったら、折れて割れてる部分をカバーしてありました。
ワイヤー類は角度がキツイ部分から切れたりすることが多いので要注意
雨天走行時は水の浸入もあります
右側スイッチを開けたら、セルの配線が線1本だけで繋がっていたらしくあっさり断線!
ホイールベアリングは前後ゴリゴリ.....本来ならば交換したいところですが、予算の制限もあり、ガタガタになってる訳ではないので、将来的にタイヤ交換時に作業することを薦めることに
(タイヤも現地で走っていたタイヤがついたまま=逆輸入車)
キャブレターのオーバーフロー
元々、オーバーフローしやすいキャブなのですが
常に出続けるのは問題です。
開けてみるとOリングが硬化しており
フロートバルブシートの周りからガソリンが漏れ
オーバーフローすることに.....
今回の車両、海外からの逆輸入車ですが、動くからということで
そのままほとんどメンテナンスも無く乗っていたのでしょう。
自分でメンテナンス出来る方なら、各作業部品代だけで済みますが
ショップに出せば工賃が発生します。
車両を購入時はその辺のことも加味して
自分のスキルに合った車両を選ぶことを具申いたします。