最近お預かりする修理の傾向として
やんちゃ風味にカスタムされたCBXのコンディションの悪さが目立ちます。
先日の購入して不具合オンパレードの車両もそのような感じ
今回も購入後、カスタム&メンテナンスで手を入れてもらって
3回乗って動かなくなってしまったという車両が来場しています。
動かなくなった原因は新品を付けたはずのバッテリーの液がほとんど入っていなくバッテリー上がり状態で不動(バッテリーは生き返りませんでした。)
マグネットスイッチも作動が悪く要交換(最近多いです、セル回りっぱなしになったり、セルがたまにしか回らないなどのトラブル、早めの交換を薦めます)
不動後、半年経ってからの修理依頼のためタンクのガソリンを抜いてみると中から水が......(そこの汚いのが錆水)

カスタム&メンテナンス時の伝票のコピーも戴いていて
「タンクの錆び取り」も書いてあるのですがどうしたことでしょう
錆び取り時の最後に完全に乾燥させたかが疑われます。
タンクの錆び取りの基本は
○作業前の完全脱脂(油分が残っては薬剤をはじきます)
○内部がまんべんなく薬剤に浸ること(普通に置いたままだと天板に錆が残る)
○薬剤はなるべく暖めておく(温度が高い方が効果があります)
○作業後に完全に乾かすこと(水分が残るとそこから再度錆が発生します)
結局、今回も錆取りを実施、二度手間になってしまいました。
エンジンオイル量を確認して更にびっくり
レベルゲージ下端にちょっと付くだけ
(エンジン掛けずに一晩置いてこれですから、よっぽど少ない)
車両引き取り時に「ケツが上がっているので油面が変わっています」と言われたそうですが、ここまで変わることはあり得ません

クライアントの了解を得て(メタルの損傷が懸念されるので)
オイルフィルター、オイルパンを外してチェックすることに
で、出てきたオイルの総量が1Lちょい!!!!!!

CBXのエンジンオイルは分解時3L、フィルター交換時2.3Lとなっていますから半分以下ということです。
これはエンジンを掛けてオイルポンプがオイルを吸い込む時にエアまで混入する恐れがあり、結果メタルなど油膜を軸受けにしている部分にダメージ(焼きつき)を与えることになります。

フィルターケースと抜いたオイルには微細な金属粉が居るのが確認できました。
また、作業後に規定量オイルを入れエンジンを掛けて見るとカムチェーンの音が酷い
テンショナーブラケットを交換してみるも音は変わらず
(作業中も明らかにカムチェーンの伸びが確認できたが、念のため交換してみたがNG)
こちらは今後クライアントと相談の上どうするかは決定します。
車両購入時はショップを何件か訪れてみたり、イベントに参加して
何台もエンジン音を聞かせてもらい
普通の状態の音を覚えておくことをお勧めいたします。