本日、常連さんから電話で技術相談がありました。
こちらの説明がうまく伝わらなくて気持ちが悪いままなので
ここで簡単に説明したいと思います。
問合わせ
「タペット調整をしているのですがシックネスゲージがどうしても入らないところがある。」
サービスマニュアルを見て#1,4のTマークに合わせ、上死点側はEX,IN両方OK、#2,3はおのおのIN,またはEXのどちらかがOK、
さらにクランクを360度回し再び#1,4のTマークにあわせて残りの部位を調整すればOKなのは理解されているようなのですが
「隙間が無い」の一点張り
そこで合わせられるところのロッカーアームは遊びが無いですか?
もしくはアジャストスクリューを外してどうですか?
計れるところはカムからのテンションが掛かっていませんから
クリアランスがあればロッカーアーム自体がわずかに動きます
アジャストボルトを緩めればさらにカタカタ動きます。(FIG1)
アジャストボルトを外せばもっとガタガタになります。(FIG2)
この辺の説明もうまく伝わらなかったようで
それでも隙間が無いとおっしゃっていました。
自分の中ではありえない話なので
別な考え方での説明をしました。
「それではTマークにあわせる云々、これまでのことは忘れて
クランクを回して隙間が無いと言ってる部分の反対側のロッカーアームがバルブを目一杯押しているときにはどうですか?」
と説明しましたが、どうもこれも理解してもらえないようで.....
おそらくこちらで云ってる事を、違うことと勘違いされているのか
数時間に及んで四苦八苦していたようなので余裕が無くなっていたのか
結局、物別れに終わりました。
翌日、ツーリングという事で
「できればそのような状態では行かないほうが....」と云ってはおいたのですが....
その後頂いたメールでは
「昼間は何度も電話をおかけしてご迷惑をお掛けいたしました。
やっぱり何をやっても隙間があかずゲージが入らず諦めました。(ゲージもぐにゃぐにゃになったし)
Tマーク以外のところでは動きましたが後は隙間がありませんでした。
どうしようもなく外も暗くなり作業が出来ないので適当なところで合わせてそのままです。
明日のツーリングで何かありそうです。マイッタマイッタ。
最悪にも一番やりにくい三番EX側ですよ、
めんどくさくなりました。1日かけて疲れただけでした。」
とのこと
リスクを抱えて出掛けて途中でトラブルが起きた場合
同行者にも迷惑が掛かるので複雑ですね。
CB400Fの場合タペットのメンテナンスホールが小さいためIN側(特に#2、3)はやりづらいですね。
今回の場合はEXの#3ということですがホーンを外して作業したのか疑問です。作業しやすいように邪魔なものは外すのは基本です。
思うところ、おそらくFIG3のようにシックネスゲージで関係ないところを突付いてしまっていたのではないでしょうか?(画像矢印部分)

○ワンパク工作室
あわててフリーハンドで作っていますので突っ込まないでくださいね(笑)

上死点 IN,EX共にカム山が掛かっていない、フリーな状態 両側計れます。

オーバーラップ IN,EX共にカム山に掛かった状態 この状態では計れません
たとえば#1,4Tマークに合わせた場合シリンダー両サイド#1or#4が片側上死点、反対側がオーバーラップとなります。
ロッカーアームを触ってわずかに動く方が上死点となるわけです。
よ〜く見るとオーバーラップの方がロッカーアームがバルブを押している分下がっているのが判ると思います。
さらに#2、#3のロッカーアームを触り計れるほうを探します。
ただ、どうしても判らないと(判りづらいと)云う場合こんな方法も
クランクを回しながら
IN,EXどちらかをバルブを目一杯押した(開いた)状態にして、反対側を調整する方法

IN側が(バルブが)開いた状態、EX側が計れます。

EX側が開いた状態、IN側が計れます。
その都度クランクを回すので面倒ですが、確実ですね。
また、話を伺っていてアジャストスクリューの調整に小さなモンキーを使っているとの事、1/100台の的確な調整には専用工具が必須です。

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