CB400Fでクラッチの切れ不良、ギアの入りが悪いなどの症状に対して
遊びを見直すようアナウンスしましたが
それ以前に根本的な原因で切れていないことがあるので解りやすく紹介しますね
クラッチレバーの種類
レバーの握り方
この二つが肝になります。
こんなものを製作してみました。

レバーとレリーズ部がいっぺんに見れる装置です。
これが基本です。

ノーマルレバー+(教習所で教える)「ベタ」握り
レリーズ部、センターの(アジャストボルトの)移動量は「2.7mm」
これはプレッシャープレートが押され、フリクションディスクとクラッチプレートのクリアランスのトータルも同じ数値になるわけです。
握り方は、人それぞれ変化します。
教習所で習ったままの乗り方をしている人は少ないのではないでしょうか?
違う握り方でどのように変わるか検証しましょう。
※指の長さ、太さで多少の変動はあります。「私のは太いです!」(笑)

オフロードをやってる人、やっていた人に多いのではないでしょうか?人差し指、中指の2本で握るタイプ
移動量は約2mm、0.7mm減ったわけですね。

これは先日初めて知ったのですが、人差し指以外でレバーを握るタイプ
先端部分が指に当たらない分ストロークしますね。移動量は2.34mm
次にこの各パターンをパワーレバーにあてはめてみましょう
現在普通に手に入るキジマさんのレバーで検証します。
「ベタ握り」、2.54mm
人差し指、中指 1.83mm 2mm切っちゃいましたね〜
人差し指以外3本、1.84mm 上と変わらなくなりました。

パワーレバーの途中の曲がっている部分がちょうど人差し指に当たるのです。
次にクラッチを軽くする魔法のパーツ「パワークラッチキット」を装着するとどう変わるのか
このパーツは単純にアームを伸ばしテコの応用で軽くするもの
ただしアームが伸びれば移動量も変わるので遊びや握り方に注意が必要です。
今回はベタ握りのみで純正レバーとパワーレバーの比較
後は純正アームとの「差」を各パターンにあてはめて計算すればよいでしょう。
純正レバー+パワークラッチキット、-0.24mm

パワーレバー+パワークラッチキット、-0.19mm

ともに若干移動量が減りますね。
遊びが多すぎれば当然移動量も減ります。
フリクションディスクとクラッチプレートのクリアランスが減るわけですから
オイルの粘度もありどんどん比例して切れなくなります。
現状、ギアの入りが悪く困っている場合
クラッチカバー側でのレリーズ調整、クラッチケーブルの遊びの調整をしっかりしてから握り方を変えて試してみてください。
便利なパーツが色々出ていますが、調整等をおろそかにすると機能しない場合があることを忘れずに。
実は先日、ギアが入らないとの訴えでお預かり、へたったスプリングの交換、遊びの適正化で私やスタッフが乗って問題なく入るのに
お客様に渡すと入らなくなる?
疑問に思い目の前でギアチェンジをさせてみると
まさにこのパワーレバー+3本握り!
「今度からベタで握ってくださいね」とレクチャーし様子を見ていただくと
後日、「すぱすぱ入りますよ〜」とのこと
また、ギアが入るときに2アクションになる場合があることを知らない方が多いようです。
現行車みたいに軽く踏めば「カチッ」と入るわけではなく
クラッチを握り、チェンジペダルを踏み込み(かき上げ)
そのままペダルに力を掛けたままクラッチレバーを離すと
さらに奥に入ります。(これで確実に入っています)
これも説明が難しく、クラッチを離しながら「ガツガツ!」とペダル先端を何度も蹴る方も居て
「そのまま踏んだままで良いのですよ」と
見本を見せないと解らなかったりします。
今度、動画で案内できれば良いかもですね