今シーズンは去年のリーマンショックのときとは違い
夏場からコンスタントにエンジンO/Hが入っています。
全体的にずれ込んでしまっていてお待たせしているお客様には大変申し訳なく思っています。
1台ずつ順番に進めていますので今しばらくお待ちください
最近お預かりしたCB400F
エンジンからのオイル漏れとマフラーからの白煙がひどくなり
エンジンフルO/Hということでお預かりしました。
さて、分解してみるとシリンダースリーブ内壁がこのような状態
ヨシムラのボアアップキットが組まれているのですが

きれいなクロスハッチ、でも組まれて3万km以上走っているのですが
何気に溝が深いような気がします。
その分潤滑面では良いのでピストンにスカッフが無い!
どちらを取るか悩みどころですね。
これも内燃機屋とディスカッションして
「リングを替えてもオイル上がりが治まるとは云えない」とのこと

スリーブ上部は目残りがありますね〜
縦傷も見受けられます

こうすると縦傷がわかりやすいですね
オイルポンプはトロコイド部分は問題ないですが外周が結構傷がひどいです。
ケースを割るとキックのスピンドルが刺さる部分がこんな状態

昔にキックアームをヒットしたのか?なにかやらかしたのでしょう
一度は確実にエンジンを割っているのは確かです。
インシュレーターマニホールドもゴムが硬化して割れてしまっています。

進行して2次エアーを吸ってトラブルを起こす前に早めの交換です。
混合気が濃い分にはかぶるだけですが、2次エアーを吸って薄くなったらピストン溶かしたり悪さをします。
ロッカーアーム&カムの当たり面もかじりが生じています。
カムシャフトはヨシムラST-1

余裕があれば組み込むときはロッカーアーム(新品)とセットでWPC処理しておくと持ちがはるかに違います。
このカムシャフト、計測するとセンターで振れが5/100程度あり
カムスプロケット両サイドの軸は均等に当たりが出ていない状態でした。

分かるかな〜?上が当たっていない部分、下が当たっている部分
ミッションは強烈です。
ギアの歯の先端の荒れはかわいいほうで

メインシャフトのニードルベアリング部ここはシビれますよ〜
ベアリングの回り止めのピンがケースに刺さっていますが
変ですね〜もっと頭が出ているはずです。
これはベアリングのシェルの穴と合わせなければいけないのですが
上下ケースを合わせるときにずれてしまったのですね
上下ケースがぴたりと合わないので気がつくはずなのですが
お構いなしでボルトを締めてしまったのでしょう
ピンはケースにめり込んで
ベアリングのシェルは当たった部分が割れてしまっています。

中央の打痕が当たっていた部分、クラックが分かりますね

内部を見るとシェルが変形してかじってしまっています。
クラックもひどいですね

メインシャフトも無傷のわけはなく
当たりが強く磨耗してしまっています。(色が変わっているところ)
クラッチから後ろ、特にミッションのトラブルは命にかかわります。
クランクや腰上のトラブルはとっさにクラッチを切れば惰性で路肩に寄れますが
クラッチ、ミッションのトラブルはいきなりロックすることにもなりかねず
高速走行時、後輪ロック!さぁどうしますか?
もっと強烈なのがこの後に控えています。
CBX400FF(2型)フルレストア状態のビカビカの車両
名古屋から直接持ち込まれました。

エンジンを掛けなければフルレストア車!エンジンを掛けると……
けたたましい異音とマフラーからの白煙
オイルを抜くのにドレンボルトを外すと……なんじゃぁこりゃぁ!

ちなみに洗い流すとこの状態

いくらマグネット付とはいえこんなん初めて見ました。
これだけ鉄粉が付着しているということは………
つづく