今度はCB400FのキャブO/H
ここのところキャブ三昧です。

右上のはO/Hの済んだ当店テスト用のCB350Fのキャブレター
分解時気が付いたのがロックワッシャーがまるっきりロックされていない

意味ないですね〜
※この二つのロックワッシャーもリプレイス品を製作しました。
あとでNetShopにUPしておきますね。
一度、O/Hされているようで、フロートチャンバー、トップキャップはウエットブラスト済み
フロートバルブも先端がゴムのタイプ、メインジェットも社外品ですが新しいものが付いています。

それと反比例して汚いフロートとニードルジェット
フューエルジョイントのOリングも古いですから
分割せずにトップキャップとフロートチャンバーを外して出来るだけのことをした感じのキャブレター
この車両、開けはじめのレスポンスの悪さが依頼事項
案の定、ジェットニードルセットは交換されてなく磨耗した物が付いていて
これが原因の可能性大です。
せっかくやるならきちっとやっておいて二度手間はしないようにしたいですね。
組みあがって車両に装着しました。

ストレス無くとても気持ちが良いです。
さて、この車両の次の作業は
これまた厄介!充電不良
バッテリーをチャージしてもしばらくするとセルが回らなくなってしまう
同じような悩みを抱えている人は多いと思います。
それこそ常時点灯の現行車の発電系をそっくり移植すれば
フライホイールマグネット式で安定した電圧が確保できますが
これまでに2台製作取り付けしましたが製作コストが掛かりすぎる為
ラインナップとしてはいません。
(参考)

Mr.Bike BGの2006年2月号、画像が小さくて解り難いがカバーが削りだしのワンオフの為この辺でコストが掛かる。
アゲインさんでも製作中とのことリーズナブルな金額で出来ることを期待しています。
さて、現実的には不具合箇所を特定してピンポイントに直したいところであるが
30年以上経ってる車両、電装品はすでに老朽化しており
すべてを交換するには膨大な金額が掛かります。
ハーネスなどの配線(電線)は使用時間に比例して内部抵抗が増大します。
聞いた話では性能を維持できるのは5年程度でその後劣化は進んでいくそうな
かといって短絡的に
充電しない=ダイナモ巻きなおし=直るなんて保証は無く
さまざまな要素が考えられるのです。
マニュアル見ながらテスターで抵抗値などをあたってもまずあてにはならず
現品をひとつずつ入れ替えての診断が早いですね。
(ひとつずつ購入しろと言ってる訳ではないのですよ、幾らでもお金が掛かってしまいます。仲間から借りて不具合箇所が特定できたらあとでメシでも奢れば安上がりでしょう)
まずはメインハーネスの取り回し、各配線、ケーブル類のチェック

なんかエアクリーナーケースとスイングアームの間に配線類がごちゃごちゃと居ますね〜
あ、リアエンジンハンガーの上側のナットとワッシャーは不在だし........
バッテリーの+コード、−コードもこんな状態

マイナス側は先端が折れたために新たに穴を開けたのでしょう
プラス側も端子の腐食が激しく、コードも錆が出始めています。
マグネットスイッチも替えた様子もないのでトラブルを未然に防ぐ為に交換
マグネティックサブコードも充電電流の通り道ですから新しいものに交換します。
なんでカバーがこんなところに.....意味無し
エアクリーナーケースのマウントボルト緩んでいました。順序も違うし.......

レギュレーターのボルトも締まっていない.....

いたるところボルトが緩んでいる、どうしたことか?
エアクリーナーケース下でとぐろを巻いていたハーネスを引っ張り出し

ハーネステープを巻きなおし、正規の取り回しに変更します。
ダイナモのハーネスのギボシも錆びているので交換します。
しかもガスケットが入っていませんでした。

ギボシだけでもリフレッシュすれば幾分よくなる場合もあります。
セルモーターのOリングが完全に終了している為オイル漏れ放題

せっかくなので交換しておきます。
各パーツを交換しながらデータを拾ってゆきます
ダイナモは巻きなおしたものをテスト用に用意してあるので交換して測定(画像にあるのがそうです)
ローターも現車のは傷だらけだったのでテスト品に交換し測定

このほかにもレギュレーター、レクチファイヤーなど関係するパーツをひとつずつ交換しながら、あらゆる組み合わせをして一番電気が出る組み合わせを探ります。
もちろんバッテリー本体も可能性があります。今回は新品バッテリーに交換が依頼事項にあるためにGSユアサの新品を装着してのテストです。
結果としては電装品全体の劣化は否めず
交換するパーツが増えるたび少しずつ良くなっていくのですが
かといって予算的にも制限があるでしょうから
通常使用に問題ない程度まで発生電圧が上がったところで終了

テスターで端子電圧を測るだけではなく
実際にライトを点けて走行し、発電状況をモニタリングしながら試乗
信号待ちで12.5V程度まで落ちるが走り出せば13V以上は上がるため
これなら通常使用はOkと判断
次のステップでメインハーネス、スイッチ類、ダイナモ巻きなおしなど行えばよいかと考えます。
充電不良のチェックだけでも丸一日以上掛かってしまいました。