暑くなってくると涼しいうちに作業をしたくなり
早朝から仕事をすることも多くなります。
(歳とって朝早くに勝手に目が覚めるわけじゃないですよ(笑))
特に週末は営業時間内は仕事が出来なくなりますから
なおさらですね。
そんななか、朝7時くらいから仕事をしていると
8時頃ご予約頂いていたお客様が登場!?
遠方から「クイック作業」でお越しになるため
本来12時OPENでは有りますが
11時のお約束でお待ちしていました。
(道路の都合で前後しても良いですよとお話はしていました。)
聞くと
「眠れなかったので早く出て来てしまった。」
とのこと、早起きしていて良かったです。(汗)

なんと!長野県から車に積んでお越しになりました。
症状はブレーキング時の激しい振動
事前に電話問い合わせでやり取りはしていたのですが
いかんせん、見えないだけにうまく伝わらない
これは道路代ガソリン代掛けても来て頂いて直接診断したほうが早いと判断し
お越しいただいた訳です。
実際に試乗すると確かにフォーク先端が小刻みに震えるほど酷い振動
レバーに小刻みにキックバックも感じます。(ブレーキだな!)
これまでに何をしたか伺うと
フロントのキャストホイールのベアリングが入るアダプターが磨耗しベアリングがゆるゆるになっていたので作り直した。
ディスク盤は車両購入時に研磨済みということ
他のショップでタイヤじゃないのか?と言われフロンとタイヤの交換
まずはセオリーどおり
一つ一つ可能性を潰します。
ダブルディスクのためキャリパーを片側ずつ外し
テスト走行
(これは危険なのでプロ以外はやらないでね、画像も自粛します。)
これで左右どちらのブレーキが悪さしているか解ります。
がしかし、両方トライして減るものの変わらない
念のためにホイールも交換してテスト
変わらない!
そのときに嫌なものを発見!
製作して1kmも走っていないと言うアダプターすでにベアリングがゆるゆる

指入れてすっぽり抜けてしまいます。
前のはもっとガタガタだったらしいが
これもいただけない
また、ホイールとの公差も大きすぎて緩いですね〜

聞くと前のアダプターだけを渡して造ってもらったそうですが
本来、精度が必要な箇所ですからホイールごと送ってホイール側の穴に合わせて製作するべき物
造る側も何処に使うものか解っていれば「相手も送ってね」と云うはずです。
2輪とは無縁の工場に作業を依頼する場合は
依頼する側が熟知していてきちんとオーダーをするべきですね。
無理であれば、オートバイ専門の加工屋に依頼するべきでしょう
ノウハウを解ってる解っていないでは出来上がってくる製品が変わってきます。
ただ、今回ベアリングの圧入部分の公差を間違えていますからそれ以前の問題ですね。
造って時間が経っていないので製作したところに作り直すようアドバイス
がしかし、費用が普通に発生するのですが当店で製作して欲しいとの依頼。
そんなホイールなので代わりのスポークホイールのままテスト続行

最後に満を持してディスクの交換
キャリパー外して両方で出ていたため
ディスクも両側一緒に交換します。
結果、見事に振動は無くなりました。
原因はディスクの表面に細かい凹凸が一面にあるということ
見ると面研した形跡はしっかりあるため
面研失敗=加工したところが下手だということ。
(6/27補足:本日内燃機屋に持ち込みました。
診てもらうと、研磨の際に旋盤のチャッキングに失敗したのだろう...と
ただ力任せに噛ませれば良い訳ではなく力加減が必要なようです。
再研磨でいけるでしょうというありがたいお言葉。)
以前の記事にも書きましたが
内燃加工でボーリングした際に「目残り」させて平気な内燃機屋も悲しいことにあるのです。
「価格、納期に惑わされずに腕の確実なところに依頼すること」
大事なことです。
+交差なら追加工でやり直しもききますが
マイナスの場合は作り直す、シリンダーの場合はスリーブ交換しかないのです。
また、
「おそらくそこだろう」部分はうすうす判っていても
可能性のある部分をすべてチェックする
これは大事なことです。
新たな不具合箇所も発見できることがあるのです。
次は東京の某クラブの名物男M氏
彼にフォアのことを語らせると「熱く」語り続けます。
部品を購入&ネットで知り合った別の当店のお客様とここで待ち合わせてお会いするとのこと(初対面!)
待ってる間、あら探s、いえチェックすると.......

あっ!ナットが居ない!
このままにしておくとボルトが緩み、サイドスタンドとブラケット部分のガタが多くなります。(磨耗)

早速、本人自らナット装着。(当店は甘やかしませんから(笑))
※ちなみに工具貸し出しも有りません、当店に集うお客様はきちんと工具を持ち歩いています。

これも中途半端だな〜
次に現れたのは同じクラブメンバー
電話でエンジン不調の問い合わせにやり取りしていて
原因がわかったと部品を買いに来ました。

ポート拡大し、インシュレーターも段が無くなるよう削ってあったのですが
あまりに薄くしすぎて割れてしまいました。
穴が開いてバックファイヤー、吹き返しなどでOリングは焼けて
そこから二次空気吸っていたのですね〜
削るのも程ほどにね
参考
キャブ側に吹き返すもの=バックファイヤー
マフラー内で爆発するもの=アフターファイヤー
次も入れ替わりでお越しになった同じクラブメンバー
沼津までグルメツーリングに行った帰りに仲間と寄りこみました。
「オイル漏れ、どうしようか?」とのご依頼

一般道ではそうでもないが高速走行すると漏れてしまう
当店でフルO/Hして2万km以上は走っている。
特に発熱量が大きくゴムのシール類の寿命が意外と短いフォアのエンジン
エンジンの仕様にも寄りますが
1.5〜2万kmくらいからシリンダースタッドガスケット、オリフィスバルブガスケット部分から滲み始まる場合があります。
ヘッドカバーガスケット、タペットキャップOリングはもっと早いスパンですね。
腰上は定期的に開ける必要があると言うことです。
当店では開けるスパンを長く取りたいため
滲み程度で修理依頼に来たお客様には
上記説明をして
「もったいないからもっと酷くなるまで乗りましょう」
と言って帰してしまいます。
工賃だってバカになりませんからね〜
人によっては「少しでも漏れてると嫌だ!」という人も居ます
もちろんそういう場合はお受けいたします。
今回も重整備を当面お受けしていない関係も有り
そのまま時期が来るまで乗ってもらうことにしました。
このように地元クラブの面々が盛り上げてくれるのは非常にありがたいことです。
(私も以前参加していたという部分もあるでしょう)
店としてはツーリングクラブ的なものを作るつもりは有りません
店主が忙し過ぎるのももちろんですが
店とは切り離して考えたほうが良いのかなと考えています。
その代わり、興味があるお客様を送り込んだりしています。
興味がある方は一声お掛けください
日曜日最後のお客様
東京のまた別なクラブのお客様
ご子息と一緒にお越しになりました。
バイクに興味が無い若者が多い中
うらやましいですね〜
ウチなんか子供すら居ませんから(泣)
居るのは毛むくじゃらの子供ばかり(笑)
早速、あら捜s、いえ診させていただくと
リアホイールがすごいことに

スイングアーム含め周辺油だらけ

ドライブチェーンのメンテナンスをしてきたらしいのですが
見事に飛び散っていますね
接地面まで流れるのは危険ですから
チェーングリスを吟味するなり、余分なグリスはふき取るなどの対応をして欲しいですね。