陸送でお預かりしたCBX400Fは
なんと半年以上前現体制になる前からのご依頼分
本来ならば新規の受付は行っていないのですが
すでに依頼されている車両は話は別です。
現体制になってからも車検常連さんから半年近く前からの
予約は入っています。
毎回、当店で通してる車両はデータ管理していますから
車検満了の1ヶ月半〜2ヶ月前くらいまでに
ご連絡ください
届いた車両
CBX400FF

いい塩梅にやれていますね
ビカビカにしている方もいれば、
それなりのヤレ加減が好きな方もいて
好みはそれぞれ
それでいて、しかるべき部分はきちんとメンテされていて
普通に走れればベストですね。
事前にオイル滲みといわれていたフロントフォーク

くっきりとオイルの輪ができてるどころか

左側はキャリパーまで流れ落ちている!!
まずは試乗してチェック
フロントは危険なのでオイルが落ちないようにタオルぐるぐる巻き

走り出してすぐにステムベアリングが終わってるのに気付く
真ん中で引っかかって乗るのが怖いくらい
良くある話、オーナーさんは慣れちゃって分かっていないことが多い
それ以外はフロントサスペンションのバネが経たっているくらいか
戻ってきて
ダストシールを外すと…
左側

右側

インナーチューブは曲がりは無いものの
縦傷が多かったり

錆も…

要再メッキですね
メーター異音も依頼事項
ケーブルはすでに両方外してあった

走っていて音が出て信号待ちなどで止まって、空ぶかししても出なければ
スピードメーター
走らずに空ぶかしで出るなら
タコメーター
音が出てしまっている場合、内部のメタルとシャフトがかじっていますから
O/Hでもけっこう費用がかさみます。
また、メーターの位置関係がおかしいと思ったらメーターのステーが逆さについています。

FFも初期のものはメーターロアケースがFCと同じ形状なのですね〜
ドライブチェーンも伸びていますね〜

ノンシールチェーンですね

横方向にねじると〜〜こんなに〜

ノンシールチェーンは強度が低いものが多く、選択は注意が必要
出来ることならスプロケットとの3点セットで交換したいですから
出来るだけ伸びにくいチェーンで交換のスパンを長く取りたいところです。
ブレーキです
マスターシリンダータンク内に何か居るぞ!

なんだろう?膜状態のものが…

キャップ、ダイヤフラムにも結晶化したフルードが多数

あらぁ〜嫌な予感

やっぱりね〜

タンク内に膜が出来てるということは
何年O/Hやオイル交換していないのでしょう?
キャリパーのブリーダースクリューのシールワッシャーに注目!

この色!耐熱スプレーを吹いたような感じですね
ところどころはがれてもとの黒い地が見えるし
また、パーツクリーナーで流れてしまうので
洗浄時にどうにもなりません
きちんと下地調整してパーツクリーナーで落ちない塗料で塗って欲しいものです。
ブリーダースクリュー

穴がつぶれています、テーパーが曲がってしまう為漏れが止まらなくなります。
漏れたフォークオイルにさらされたブーツは伸びて巨大化(左)
シール溝にはやはり居ました、結晶化したヤツが!

これがシールを後ろから押すのでピストンの動きが悪くなります。
リアマスターシリンダー、ピストンキットは新しいようだが
ロッドはこの有様

何故、漏れるか???

シリンダー内壁の腐食痕、黒い輪がそうですね。
この場合ピストンキットを替えてもすぐに出始めます。
シリンダー自体をリビルトするかリビルト品に替えるかです。
ここも意外と見落としがち

結晶化した堆積物が溜まっています。
FFの良いところはクッションリンクのコンロッドのブッシュがFCのベークライトと違いメタルブッシュであること、表面にディンプルがありグリスの保持が抜群です。

この車両も問題なし
初めて点検整備する車両はほとんどこのように不具合箇所のオンパレード
おのずと時間も掛かりますので
現体制になってから受けなくなったのはそのためです。
皆さんも普段からきちっとメンテナンスを心がけましょう