先週末ネタはまだ続きます。
もう一台
「フォークの動きが固い」と診断依頼でご予約されていたお客さま
「曲がりの可能性」を示唆されていました。
本来ならば簡単なチェック方法はバックナンバーにありますが
メカが苦手な方は下手にいじらずにおまかせいただいたほうが良いでしょう
(お店なので工賃は掛かりますが…)
はるばる群馬から高速道路でお越しになりました。
まずは曲がりのチェックをし始め、アクスルホルダーを緩めようとしたら
「するっ!」
「ええ〜っ!締ってませんやん!」
試しに反対側もチェック

指で回ります

4本すべてトルクが掛かっていないどころかユルユルです。
これで高速道路ですか?ある意味自殺行為ですね
くわばらくわばら
アクスルホルダーが緩んでいて
動いてしまい向きがおかしかったメーターケーブルジョイント部
「あぁ…」

奥まで入っていない
引っ張ったら抜けました。
ビスもこうなったら替えてください

このオーバルスクリューやフラットスクリューは思いのほか面圧掛かりますから
緩まなくて往生することが多い
+の穴が変形しているものは後で大変なことになりますよ
何十円の部品ですから少しでも舐めたら交換です。
チェックの末、特に曲がりは無く
作動も特に問題なし
来ていた他のお客様のFサスをストロークさせてもらって
やっと納得してもらえました。
比較対象の有無は大事ですね〜
ブッシュ入りの高年式車に比べれば固いのは仕方ないこと
強化スプリングはあっても軟化スプリングは無いですからね
次にスロー不調も云っていたので
試乗してみることに
ステアリングダンパーは外します。

ステアリング周りの動きの確認が出来ません
本来、街乗り程度なら不要だと考えます。
(乗りにくくてしょうがない)
ファッションで付けている場合も多いようです。
当店のO/Hキットで地元のお店でO/Hしてもらったとのことですが
明らかに開け始めがおかしい
まずは点火系、テスト用のコンタクトブレーカーASSY、ガバナーに替えても
なんら変わりなし
となると
キャブかな
当店のO/H済みのテストキャブに交換して直れば
間違いなくキャブですね
このようにパーツの交換で直ればそこの部位ということになります。
これもどんどん替えていくのではなく
替わらなければ元に戻し、新たな部分を交換する
いっぺんに複数の部品を替えてしまうのはもってのほか
どの部品で直ったかが分かりません
ある意味キャブセッティングと同じことですね。
キャブを外そうとしたら
「なんだこりゃ!」

スロットルレバーのワイヤーを引っ掛けるところがおかしなことになっています。

ケーブルの着脱が簡単に出来るように開口部を広げてあります。
「何てことを!」
アクセルワイヤーを戻して反対の力が加わるとワイヤーが緩んでタイコが外れそうになります。
走行中に外れたらどうするのでしょう
いやぁ安直ですね。
オーバーフローも止まらないということで
タンク内に錆があるのをストレーナーで対処しているとのことですが
細かい錆はメッシュのストレーナーを通過します。
定期的にこのように底に落ちている錆を吸出し
なるべくリザーブにしないことです。

底の合わせ目を集中して吸い出します。
しばらく置いて沈殿したら上澄みだけを戻します。

ちょっとやったらこんなに!
ドライブチェーンも完全終了

チェーンアジャスターが一杯一杯になるまで使う人は居ないと思いますが
伸びてくると張るところゆるいところの差が激しくなります
チェーン調整はいちばん張るところであわせるわけですが
ホイルを回すと緩いところでだるんだるんなんてことになります。
ほどほどのところで交換しましょうね
もちろんスプロケットとの3点セットはお約束
シールチェーンを選択する場合、幅があるチェーンではケースを削ってしまいますから
吟味が必要です。
選ぶ際は
交換のスパンが短くても安いものにするか
メーカー品で高くてもスパンが長いものを選ぶか
どうするかですね。
今度の週末は天気が悪そうなので
仕事が進むかな??