再メッキに関しては納期が安定していない為
業務内容から外してはいますが
今回の依頼は当店常連さんでCB400Fの純正マフラー
当店での整備歴も長く「当店のスタンス」を熟知しているということ
納期はお約束できませんと謳った上で了承いただいたのでお受けしました。
マフラーの場合は事前にお話しているのが
施工後、ピンホールに残ったエアが熱が掛かってから膨張しえくぼのように膨らむことがあるということ
そんなリスクがあることを事前に説明し、了承頂いた場合のみお受けしています。
何でもウエルカムで「きれいになりますよ〜」と安易に受けて
後からトラブルになっても困りますから
事前にメリット、デメリットの説明は絶対に必要と考えます。
また、社外部品の取り寄せ〜取り付けを依頼されても問題ありと当店が考える部品は事情を説明しお断りしています。
後で困るのはご本人ですからね
今回は以前ヨシムラのブランニュー集合管が出たときに交換して、外してあった純正マフラー
エキパイは錆も無く良い状態
(錆のあるものは再メッキはおすすめしていません)
マフラーの再メッキの場合は内部のカーボンを完全に除去する必要があります。
でないとメッキ屋さんでメッキ液が汚れると言う理由で受けてもらえません
当店では専門の洗浄業者に依頼して薬剤で洗浄しています。
それから、メッキ業者に依頼しますから
複数の工程が必要ですからおのずと時間も掛かります。
出来上がってお客様が交換にいらっしゃいました。
依頼事項で
「せっかくなのでスタットボルトも交換して欲しい」と
実はこれまではプロローグで
今回の記事のメインは
スタッドボルトの交換時の注意
到着してエンジンが冷めないうちにやけどをしないよう注意しながらマフラーを外します。

何故か?アルミと鉄で熱膨張率が違います。
解ります?ヘッド=アルミ、スタッドボルト=鉄、アルミのほうが膨張率が大きいですから冷間時よりは外しやすいと言うこと。
例えば自分で作業する際には事前にひとっ走りしてエンジンを充分に暖めておくことは必須です。
ちょっと間を置いてしまいエンジンは少し冷めて50℃ちょい
ダブルナットを掛けて外します。

ナットを2個共締めして、エンジン側のナットにレンチを掛けて回します。
場合によっては画像のようにレンチ2本でナットを締めながらボルトを緩めます。
当店では普通のフランジナット2個よりも外側は長いナットを使いより力がかけられるようにしています。
ときに固くてびくともしない場合があります。
その場合、無理に回すと折れて大惨事となります。
そのときは根元に浸透潤滑剤を噴霧して

ボルトの頭を銅ハンマーなどでコツコツ叩き振動を与えて潤滑剤を浸透させます。
少しでも動けば、後はタップと一緒
動く範囲で左右に回し、浸透させながら徐々に緩み方向に回していきます。
これも焦って作業するとかじらせて大惨事につながりますから
時間を掛けて徐々に行います。
万一、まったく動かない場合は無理に作業をせずにその部分だけ残しておく
またはプロに依頼するかですね
今回もフレームの両サイド以外はすんなり抜けて

(ラチェットよりはTハンドルのほうがセンターを持ってダイレクトに感覚も伝わるので良いでしょう)
フレーム両サイドは固くて上記のように時間を掛けてコツコツ外しました

浸透潤滑剤漬け!
ココが折れると厄介
当店でもエンジンを下ろしての作業となります。
フレームが邪魔して正確な作業が出来ないからです。
おっつけ仕事はろくなことになりませんからね
スタッド交換完了

馬鹿ぢからでぐいぐい締めすぎないように!
マフラー装着して完了〜

一つ問題が発覚
リアサスペンションを当店で取り扱いのある海外リプレイス品に替えていたため
チェーンアジャストボルトとマフラーが干渉してしまう。
若干長いためですがヨシムラ管ではまったく問題無いのですが純正マフラーでは長く、クリアランスが無い為厳しい状態
そこでマフラーステーの穴を加工して外に振れるようにして対応

3mm程度クリアランスを確保できました、サスが伸びきっているときだけですから問題ないでしょう。
これで一安心
スタッドボルト交換はパーツリスト上は工数0.9時間ですが
全作業に3時間程度掛かりました。
お待たせしました。
なお、
「ブログ見たけど、マフラーのメッキお願いしたい」とメールが来そうですが
申し訳ありません、お受けできません。
「なら、書くなよ(載せるなよ)!!」と言われそうですが
参考に載せただけで
あくまでも冒頭にあるように
「店主の独断と偏見のブログ」です。ご理解ください。