シリンダーヘッドカバーのシーリングボルトからのオイル漏れ車両は良く見かける
新品のアルミワッシャーを組んでしばらくして
熱によりなじんでトルクが抜けてしまっているものが多い
この車両もそれかな?と思ったら
アルミワッシャーがずっこけている!

右側のですね、ボルトに対して偏芯しています。
でそこからシリンダーヘッドの側面のフィンまでオイルが流れている
この場合は一度緩めて芯を出して締めなおしますが
早速、ボルトを緩めると
「ジャリッ!!」
嫌な感触がレンチから伝わってきた。
これは久しく味わっていなかった砂噛みの感触
とりあえず外して確認
外れるまで「ジャリジャリ」云いっぱなし
「うわ〜勘弁して!!」

ねじ山が無い部分はくびれているので
組むときに芯を出さないとワッシャーがずれて固定されてしまう。
早速洗浄

分かります?おびただしい砂
どうしよう、反対側も砂が居る
また、他の3本も確認、外して洗浄
ここほどではないが少し砂が確認できる部分もある
サンドブラストでは
完全なマスキングを行い、内部に砂を入れないのはお約束というか鉄則
万一、入ったらどんなに少量でも徹底洗浄して完全除去が鉄則
砂が入ればどうなってしまうかは
このブログの砂の恐怖シリーズを参照ください。

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身の毛がよだつ臨床例がたくさん
このエンジン、クランクケースもブラストされているので
不安になり
念のためフィルターケースを外して内部を確認

やべぇ!居るよ〜

指で触って粒が確認できます。
フィルターケース内をパーツクリーナーで洗い流すと

参ったなぁ
ここに砂が居ると言うことは
どんなルートでたどり着いたか
サービスマニュアルには必ずオイル潤滑経路というものが載っています

これを見ると
オイルパン→ストレーナー→オイルポンプ→オイルフィルター
このストレーナーとは金網なのでガスケットのカスなどは引っ掛かりますが金属粉や砂は通してしまいます。

通り抜けた砂はオイルポンプのトロコイドローターを傷だらけにしてオイルフィルターへ
さらに注目してほしいのは
このエンジンの場合、オイルポンプからトランスミッションへオイルがダイレクトに送られるという事
ということは砂も一緒に流れ込んでいるということ
また、エンジンオイルはエンジン内で常に攪拌され飛まつしていますから
シリンダーとピストン間に入り込みシリンダーに傷が入ることもあります。
極端な話、砂が入ったエンジンはエンジン全損のリスクがあるということ
今回も困ってしまうのは対処としてはエンジン全バラ確認洗浄するしかないが
当店では現在その作業は行えないということ
いやぁ参った