今日もせっせと総合点検車両
足回りは終わらせたので
いよいよエンジンへ
ガバナー分解洗浄、グリス充填して
ポイント接点磨き
次はタペット調整
この車両、ロックナットがすべて固め
ねじ山が非常に細かい為に過大トルクで締めるとねじ山を傷めます。
1組終わっていました。

タペット調整の際にアジャストボルト/ロックナットはスムーズに動かないと調整がし辛い
動きが悪いものは
調整時アジャストボルトを良い位置で止めてロックナットを締めようとすると動いてしまい締まり過ぎてしまう。
動きの悪いものは漏れなく交換します。

マグネットスイッチのコードの取り付け部に注目
端子がむき出しなのが嫌なのはもちろんだが
スターターモーターケーブル側はマグネットスイッチの端子の元々付いているナットが緩んだ状態でコードをナットで挟んでいる。(それも締まってなくて緩い!端子自体がぐらぐら動いている!!)
バッテリー+コード側はマグネットスイッチの端子のナットを緩めてそれで固定
それでもセルは回り機能している。
根本的にマグネットスイッチ新品の端子部分のナットはいじらない!
その上にコード、スプリングワッシャー、ナットの順番
しかし、こんな緩んだ/端子むき出しの中途半端ではいかがかと思い
正規の状態にさせていただくことに
ただし、その過程でマグネットスイッチが機能しなくなる場合があることを告げて作業
案の定、マグネットスイッチの端子のナットを締めて、作動確認するももう動作することは無くなりました。
新しいマグネットスイッチに交換します
また、カバーは不在かと思ったら
マグネットスイッチの配線に付いたまま向こう側に押し込んでありました。
さて、最初の段階でバッテリーの端子で充電量は確認していて
ライトONでもOFFでも13Vチョイで制御されている。

画像見てのとおりICレギュレートレクチファイヤーが使われているが
現行車のMFバッテリー使用車両のものを流用しているのでしょう
STDのレギュレーター、レクチファイヤー共にそうそう壊れない
この車両、レギュレーターは付いたままなので
試しにウチのテスト用のレクチファイヤーを繋ぐと

ライトON/OFF共にきっちり15V出ている。
なんかもったいない気がしますね。
リアウインカーもやっつけましょう
左リア

コード、リアフェンダーと接触していたので中身出ちゃってるじゃん!!
しかし、リアフェンダーに接触させていただけのこの針金は…
ありえないなぁ〜
右リア

こちらは配線の芯は露出してはいませんが遅かれ早かれ
放っておけば路面の振動でウインカーが動くたびにフェンダーと接触してウインカー出しながらヒューズ切れなんてことになっていたでしょうね
コードの補修=熱収縮チューブで対応
ボルトの露出量調整=途中にワッシャーを入れ対処、
アース端子製作=メインハーネスのリアウインカーのアースコードは左サイドカバー内に仕舞ってあったので(この記事2枚目の画像に注目!)
刺さるものを製作します。
(エンドに丸穴端子を付ければ早いですが将来CB400F純正ウインカーステーに替える事が無いとは云えないのでいじめたくないですよね)
まずは使えそうなものを探す
おぉ!これは良い♪
などで対処します。

圧着用の爪を起こしてプレスで平らにして板金ばさみでカット

ありゃ、光って判らないか
でナットに共締めします。
完成〜

コードも余裕あるし、アースもしっかり取れるし
良いですな〜
お客様の依頼事項でクラッチケーブルがエンジンに触れて溶けるのは嫌なので
ヘッドの横を通してくれと

でこんな感じ
さて、やっと完成し完成検査試乗に出てみると
最初の試乗で出ていなかった症状が確認できた。
(たしかお客様も云ってなかった症状)
ギアチェンジでシフトダウンしてローギアに入れた際に
ごくたまに下がったまま戻ってこない
「なんだぁ!」
体感しちゃったものを知らんぷりは出来ませんから
慌てて帰って来て、オイルを一度抜いて
クラッチカバーを開けてクラッチを外してリンケージの確認
(これまでの自分の保有している臨床例からだいたいの場所は予想がつく)
シャフトを回しながら、ひたすらシフトチェンジを繰り返し
症状が出るのを待つ
やっと出た!スピンドルが戻らない
よく見るとクラックが入っています。

こんなん初めて見ました。
サクサク組んで再度試乗して、直ったのを確認
やれやれ、
初めての総合点検車両は漏れなく罠がいっぱいです。