点検整備でお預かりしたCB400F

こんな画像を見て読者から
「シオハウスご法度のハンドルでは?」
とコメントが来そうですが
ご安心ください

ノーマルハンドル持込での交換依頼
車検証上は形式・類別は03307・0020とFUですが
付いていたハンドルは車検証とはまったく寸法が違い
聞くと前回の車検ではそのまま通っていたらしい
確かに検査官によって測らないところも有りますからね
(足立では漏れなく測られているなぁ)
今度のFTハンドルももちろん車検証の寸法と違いますから
次回車検で万一検査官に測られると構造変更になりますね。
当初の依頼事項は
充電不良
アフターファイヤー
冷間時片肺
フロントフォーク滲み
というもの
預かり時に
セルが回らない(ハンドルの角度で回る)
クラッチスイッチが効かない(クラッチを握らないとエンジンが掛からない)
タンクキャップからのガソリン漏れ
が追加
更に確認するとステムベアリングの引っ掛かり
ブレーキペダルのが露呈
セルモーターに関して
まずはバッテリーを充電
フル充電直後で測定

13Vまで行きません
半年経たずにこれではちょいと性能低下が早いかな
テスト用バッテリーを装着し確認

回りませんね
クラッチレバーを握ると回ります。

こんな場合はまずここ
左サイドカバー内のシリコンレクチファイヤー

テスト品に交換すると反応はするようになりました
しかしセルが回るほどではない
ん!
また、変なものを発見

社外のICレギュレーターに交換されているのだが
純正のレギュレーターが付いていた場所に
メインハーネスのアース線とホーンのアース線が付いている
このエアクリーナーケースはラバーマウントされフレームとは絶縁されていてアースとしての機能は無い
試しにホーンボタンを押すも鳴らないし
正規の位置へ移動するとホーンは普通に鳴ります。
セルモーターも回るようになりました。

※ホーンのアースは本来IGコイルと共締めだがフレームの塗装を剥いでいないようで反応ない為テスト的に一緒にとめておく
ハンドルを動かしての接続の有無はメインハーネス、スイッチを交換するので問題は無いだろう
しかし、そのメインハーネスもハーネステープで巻いてあり、取り回しもむちゃくちゃ

ヒューズボックス蓋に溶けた痕

発熱していますね〜要交換です。
発電不良のチェック
バッテリーの端子電圧で確認すると
ライトOFFで13.5V
ライトを点けると12.4V
これでは夜間は走れませんね
発電しているかチェック
まずICレギュレーターの黄色コードで確認
交互に電圧測定(交流)

ありゃ、1本電気出てないや
Lカバーを外し接続部を確認

真っ黒に焼けています。
測定すると

3本とも電気は出ています。
ギボシ接続部の接触不良も考えられるので
端子を磨き接点復活ざいを塗布
再度、レギュレーター側で測ると結果は同じ
どこかで断線ということですね。
電気周りのトラブルはメインハーネス等交換で解決するでしょう
古いハーネス類は内部抵抗の増大や断線のリスクがあるので
リフレッシュは有効ですね。
エンジンの不調に関しては点火時期調整、キャブレターの調整で対応できそうですが
本来、キャブを外さずに#1でもフロートチャンバーを外して中を確認したかったのですが

ほとんどのネジ山が舐めてナット止め
ヘリサート入れて補修して欲しかったな
これではキャブを外さないと確認出来ません
次にいよいよ足回り
ディスクを見ると等間隔の点々

内側は…

フルード漏れだぁ
試乗の際、ブレーキング時にキキキと独特の感じがあった。
キャリパーを外すと

案の定パッドはフルード漬け
パッドを外すとまたSUSピストンか(萎)

キャリパーステーも動きが渋い
マスターシリンダーも嫌な予感

ダイヤフラムにすでに粒粒が
液を抜くと底にはびっしり結晶

パーツクリーナーで流してみましょう

凄いな!
次にピストンを抜くとヘドロが少々

キャリパーBはパッドと一体化している

この割れ方は、外そうとしてパッドの使用限度ラインの溝を叩いたのだろうそれは無理無理!
外すならパッドとキャリパーBの合わせ目に割を入れないと無理
やっとこ外すと錆で固着でした。
次にフロントフォーク
右側が漏れている

摺動部に凹がある、曲がりは無いがインナーチューブ交換です。

左側は曲がりは無いが錆があるので左右交換しましょ
むむむ
何故裏側にナットが…

まぁこんなですね

もちろんヘリサート修正しましょう
しかしボルト類は長さが結構まちまち
営業日の土曜日
今日は予約修理で
オイル交換のCBX400FFと
先日、発電不良でローター、ステーター交換でカバーのビスが折れてテスト品で一時帰宅していたCBX400FFのステーター交換

CBXが取扱車種から消えて
2台並ぶことも珍しい