オイル漏れにて腰上を開けた車両
本来、スケジュールの関係からオイル漏れだけで預かることは無く
車検時などに一緒に作業させてもらっている。
今回の車両は先日の車検時にヘッドカバーを開けて処置はしたものの
予想以上にヘッドガスケット面から出ていてアフターフォローとして預かったもの。
分解したパーツの洗浄は終わっていて
バルブ周りの修正作業から
バルブのフェイス面はシートリングに当たる部分だけ摩滅して凹んでいた
ばらしたならフェイス面を研磨して平らにして組みたいもの
インレット側、これでは分かり辛いですね

途中まで研磨した状態、くっきりと輪がわかりますね

更に段差がなくなるまで研磨します。
エキゾースト側
こちらも同様、またカーボン噛みによる凹もある

軽く一皮

さらに研磨して完了
バルブのカーボンを除去した際に堆積が少なかったので
O/H後6000kmはあながち嘘では無さそうだ
バルブシートとの当たりを見ても思いっきり広い訳では無いので
シートカットされているのか?
内燃機屋に出せばフェイス面研磨は必須だし分からないな〜
シートカットは軽く済ませて擦りあわせを行いバルブ周りは完了
次にヘリサート修正

ねじ山が舐めているところとカムチェーンホール前、両サイドを処置しておく
パイロットタップは本当に重宝する

先端の細いタップが元のねじ山をトレースしていくので角度を失敗することは無い

ここはドンつきなので次に通常のヘリサートタップで掘り
ヘリサートコイルを挿入し
仕上げにM6のタップ通しを行う
工程が多く時間が掛かるが手を抜いては仕上がりに影響する
はい完了、合計6箇所
いよいよバルブを組んでバルブ〜シート間の気密チェック
シリンダーのOリングを装着し
後は組むだけ
スタッドボルト、ダブルナットで緩め方向に力を掛けて緩むものは外して緩み止めを塗り締めこむ

前側中央2本はケース側が10mmと太くなかなか緩まないがすんなり緩んだ!?
緩まなかったのは両サイドの3本のみ
多分前回O/H時に完全に緩んでいて締めてあると思われる
ピストンを組み
秘密兵器のピストンリングコンプレッサーを使い(内緒!)
シリンダー装着
次にヘッド装着

この辺の作業には独自のノウハウがあります。(非公開)
ナットを規定トルクで締めこの日は終了
翌日、再度ナットのトルクチェックからスタート
純正ガスケットを使っている為トルク抜けは無し
(ヨシムラのピストンキットの場合は結構抜けている、複数回トルクチェックを行わないともれる原因となる)
修正したカムシャフトを組んで
ヘッドカバーを載せて〜
キャブを組んで〜
IGコイル、マフラーを組んで〜
はい完成
エンジンに火が入るのを確認し今日は仕舞いにしましょう
台風の為の屋外の準備をしなくちゃです。
ちなみに当店ではこの程度の作業ならO/Hとは云いません
単にガスケット交換+シート修正、フェイス研磨です。
O/Hの場合は計測なども有りもっとやることが多いから
とても時間が掛かるので今はお受けしておりません