日曜日の予約修理はCB350F
新規の預かっての点検整備がすぐには無理なため
去年から小出しで作業を続けている
今回はスイングアームとリアブレーキ周りのメンテナンス

初めて試乗をした際にスイングアームのガタからリア周りがぐにゃぐにゃして気持ちが悪かった
いの一番に作業を行いたかったがスイングアームセンターカラーが間に合わず先延ばしにしていた。
年末に入荷して満を持して今回作業
さて作業、まずリアホイールを外すがCB350Fでノーマルマフラー車の場合はマフラーが邪魔でアクスルシャフトが抜けない
このようにノンシールチェーンならクリップを外して、チェーンを外せばホイールはアクスルごと外れる

ところがこの車両はチェーンも動きが渋くなっていてジョイント部が外れない
カシメチェーンと同じ要領で分解します。
最初にドライブスプロケットを外し
ブレーキパネルからトルクロッド、ブレーキロッドを外して
リアアクスルナットを緩めてホイールを外す。

チェーンケースの後端が垂れていて邪魔なので外してしまう
伸びたチェーンならこの時点で横方向にずらしてホイールを外すが
チェーンがスプロケに掛ったままでここまで引けるのでシャフトはすんなり抜ける

組み付けは逆の要領で行えばOK
今回はドライブチェーンとスプロケの交換も依頼されているのでドリブンスプロケットを外す。
ははは、グリスっ気無し

ベアリングの確認

ゴロゴロしています。要交換
外したベアリングとディスタンスカラー

純正ベアリングは片面シールなので中がグリスまみれは日常茶飯事
両面シールのベアリングに交換します。
ディスタンスカラーの内部の錆もワイヤーブラシで可能な限り除去

ブレーキカムもカラカラ
ブレーキシューはバリバリアスベストの当時モノ
ドラム内部はエアブローするわけにはいきませんからパーツクリーナーで洗浄します。
次にブレーキペダルシャフトを外す

ここもグリスっ気が無い
次はスイングアーム
ナットを外して、レンチを掛けたシャフト側が動きが渋く嫌な予感
プラハンで横から叩くも動かない
仕方ない銅ハンマーでネジ山を痛め無いように叩くと少しずつ動き始めた

何とか外して、カラーを抜く

これは酷い真っ赤っか
かなり長いことグリスニップルからのグリス注入はおろかばらしてのメンテナンスもしていないのでしょう
スイングアーム側の洗浄

普段は錆とグリスが混ざった茶色い汁が出て来るが
グリスっ気が無いということ
CB350FとCB400Fでは構成部品が変わる
CB350F

Hブッシュは金属製、Mシールはフェルトリング
CB400F(CB350Fの晩年はこちらのタイプ)

Fブッシュはベークライト製、Iサイドキャップにゴムのリップがありシール性が向上
グリスニップルからのグリスの供給方法も全く違う

CB400Fはスイングアームのピボットパイプにグリスニップルがあり
グリス注入するとパイプとカラーの隙間にグリスが入り、充填されるとブッシュとカラーの隙間に入り込む
CB350Fはピボットシャフトにグリスニップルがあり
グリスは中心の穴を通り、シャフト中間の穴からシャフト〜カラー間の隙間に
両端まで達するとカラーの溝部分の穴からブッシュとカラーの隙間に供給
ところがあくまでも理論上の話で実際に全面にいきわたるかは難しいところ
定期的に分解してグリスUPした方が確実だと思います。
CB350Fの場合ブッシュを決まった量奥に入れなくてはいけない
これまではノギスで測りながらプレスで挿入していた。
今後350も増えそうなので規定量圧入できる治具を作成した
完成して店主が試乗後、お客様にも乗っていただいた

最初から比べるとかなり良くなりました。
この日の来訪車