昨日も予約修理車に予定外の不具合が見つかり、また追加作業もあり予定を大幅にオーバー
来訪者放ったらかしで作業をしていたため
店主と話がしたくて来たお客様にご迷惑をお掛けしたことをお詫びいたします。
予約修理車は予約通り10時に到着

依頼事項は
@再メッキ済みのブレーキペダル、チェンジペダルの交換
Aオイル交換、フィルター交換
Bヨシムラの油温計の取り付け
交換理由は某オークションで購入したペダルが
ブレーキペダルは再メッキ品だが曲がっていて踏む位置が妙に近い
チェンジペダルは同様に再メッキ品だがクロームメッキではなくニッケルメッキ
クロームメッキは銀色だがニッケルメッキは黄色っぽい、クロームメッキの前段階で行うものですね。
下の画像で上が現車のニッケルメッキ、下が当店自家用車のクロームメッキ

サイドスタンドもおかしなことになっている
一度根元から折れて適当にステーを作り他車種のサイドスタンドを使ったようだが角度がダメですね、峠で攻めれば確実に擦りますね
お客様に確認すると将来的に純正品に替えたいとのことで今回はスルー
今回の内容ならば昼までには終わる算段
お客様は「2時間程度で戻ってきます」と近所のファミレスへ
工場内に入れオイルを抜こうとのぞき込むと
オイルパン側面にオイルが流れ、しずくが落ちている

Lカバーを外すとセルモーター、ミッションのオイルシール、チェンジシャフトシール、オイルポンプからオイルが漏れている

見ちゃったらねぇ.....
お客様に聞くと「やっちゃってください」と
エンジンはケース合わせ目から液状ガスケットがはみ出ていてこれまでに開けた形跡はある
その際にOリングやオイルシールは交換しているだろうが経年でゴムが硬化し出てくるときは同じようなタイミングで出始める
オイルポンプやチェンジシャフトオイルシールはオイルが入ってる状態だと出てきますから、オイルを抜いたタイミングで作業をしたい部分
ちょうどよかったかもしれませんね
こんなものも発見
左下のエンジンマウントボルトが浮いています。

緩んでいるわけではなく締まっている
何故か?
長いボルトが使われているから

左が現車のもの、右が正規の長さ
長いボルトでは何が起きるのか?
これはディスプレイのエンジンだが矢印の部分にナットが入りフレームとケースを固定するが

ナットの奥(画像では左側)にはオイルポンプからフィルターケースまでオイルを供給するオイルラインがある
長いボルトを使うと先に奥の壁に当たって止まる
普通なら「あれっ?」と思いのぞき込んで確認して分かるものだが
何も考えずにグイグイ締めこめばケースを割ってしまう
オイルラインなのでオイルが噴き出すことになり
クランクケース交換が必要になってしまう
実際に奥の壁にはボルトの跡がくっきり
当店のお客様でもここが割れて金属パテでお茶濁しした車両を知らずに購入してしまい
あらゆる手段を講じても止まらずあきらめて自力でクランクケース交換にチャレンジしている御仁もいる
特にエンジンガードを外した場合に使われていた長いボルトから純正サイズのボルトに戻さないとこんなことが起きるだろう
今回もそんなパターンだと推測できる
ボルトは途中で止まったら必ず確認
セルモーターのOリングもカチカチです

流れた痕がくっきり

プレッシャースイッチが外れているのはエア抜きのため
今回のようにオイルポンプの着脱をした場合、オイルラインにエアを噛んで作業後セルを空回ししてなかなか油圧が掛からずオイルランプが消えないことがある
ここでオイルが上がったのを確認してから組めばすぐにオイルランプは消える
この車両もコックが完全には止まらないですね

作業中タンクを外していて4時間でこれだけ出てきました。
するとお客様がコックを交換して欲しいと追加依頼
ガソリンを抜くと結構錆が出てきた
抜く際には掃除を兼ねて下側の合わせ目を満遍なく吸い上げる
コックを外すと......

結構な錆
メッシュのストレーナーで大きな粒はキャッチしますが粉状の錆は通過しコックに入り込みます。
こんぽコックは樹脂のインナーとダイキャストのボディと密着させてシールしますから、錆が入り込めば傷になり漏れる原因となる
(CB350Fや398タイプはゴムパッキンなのでゴムが柔らかいうちは漏れにくい)
お客様のリクエストでメッキタイプに交換

ガソリンをタンクに戻したあとのジョッキには錆が堆積

お客様にはなるべくリザーブにしないようアドバイス
時間を大幅に過ぎて作業は完了

ドライブスプロケットの脱着でリアアクスルを緩めてドライブチェーン調整を行っているため試乗へ
その前に空気圧を確認

少ない!
14時半くらいだったかな作業完了
店の中では嫁がパニック
店主が朝から作業している間にNetShopの注文がたくさん来て
ちょいとお手伝い
そのうち来ていたお客様から
「手が空いたらオイル交換お願いできますか?」とオファー
前回他店でオイル交換を行ったらトレーに黒い異物が居たという
もともと抜いたオイルの状態を見せてくれる店ではなかったがお客様がリクエストして見せてもらったら居て心配になっていたそうな
当店の場合は必ずお見せするようにしている

汚れや金属粉、異物の有無でエンジンの状態が分かるというもの
大事な情報源です。
エンジンオイルの交換は
純正S9 10W-40 ¥2050/1ℓ(税抜き)
MOTUL 5100 10W40/15W-50 ¥2050/1ℓ(税抜き)
GULF BLAZE 10W-40 ¥1000/ 1ℓ(税抜き)
交換工賃、ドレンボルトワッシャーはサービスです。
オイルフィルターは
純正(CB400F/350F)で¥1120(税抜き)
交換工賃は¥1000(税抜き)これは洗浄する手間、パーツクリーナー代です。
予約は無くても手が空いてれば作業可能です。
昨日は全く余裕がなく
沢山来訪者が居ましたが放りっぱなし
よく分かってるお客様は店主が外に出たタイミングにお声がけ頂いたり
事務所で嫁に「手が空いたら話が...」と伝えますが
それが無いと作業が終わるまで井戸端会議で待っていてくれるかなとすっ放ってしまいますので
ご注意ください
昨日も知らぬ間に帰られたお客様が居て用があったのでは?と申し訳ない気持ちになりました。
余裕がない時は顔色も変わっているかもしれませんが遠慮なくお声掛けくださいね。
結局、お昼ご飯は食べられず
18時の閉店とともに嫁とサイゼリアへ

空きっ腹にビールは効きますね〜