2/16日曜日、天候が思わしくなく
予約修理のお客様は延期かなと思ったら
朝9時を回ったところでワークマンのヤッケをまとって登場
最近店主もはまっていますがワークマン....良いです。
依頼事項は依然メールを頂き
「現在所有していますCB400Fの修理をお願いしたいと思っています。
まず、車両の経緯としましては、8月に個人売買で車体を購入しましたが、普通に走るにも不具合を感じ、近所のショップで修理をしていただきました。作業内容は、主にキャブとクラッチのOHです。
作業終了後、10月に手元へ戻り、近所を乗る分には不具合を感じない程になり安心しておりました。
しかし先日初めて100キロ程のツーリングへ行った際に色々な不具合を感じてしまい、とにかく専門的な方に見ていただきたいと思い、今回シオハウス 様にご連絡をした次第です。
不具合の内容としては以下の通りです
・ヘッドライト点灯で走行するとカブる様な感じ
・エンジン暖気、始動時の白煙
・アクセル、クラッチが異常に重い
・発進時にクラッチ辺りから音が鳴る
・シリンダーからオイル滲み
・フロントブレーキ鳴き
・4番エキパイ脇のスタッドボルト補修跡
素人目にみても以上の症状が出ており、非常に不安を感じておりますので、修理予約をさせていただきたいと思います。こちらは日曜日であればいつでも持ち込み可能でございます。」
最初にざっと診させていただき
白煙、ヘッドガスケット面からのオイル漏れは腰上を開ける必要があり待ちでは無理
スタッドボルトは以前に折って修復した際に失敗して変なところにスタッドボルトが居る

ドリルで穴をあけていて刃が逃げちゃったのでしょう
これはヘッド単体にして工作機械で残ってるボルトを切削してTIGで盛って穴を開けなおさないといけない
手間を考えたら状態の良いヘッドを買ったほうが良いと思う
アクセル、クラッチがやたら重いのは取り回し
発進時のクラッチからの音は俗にいう「猫鳴き」クラッチつないだ時の「にゃー」って音ですね
お客様がアゲインさんのセカンダリードライブギアを持ってきていたので交換
ヘッドライト点灯での不調は発電不良、ライトOFFでも13Vいかないのですからライト点けて信号待ちでブレーキ握って、ウインカーなんか点けてたらどんどん電気を食ってエンジン不調になります。
ブレーキ鳴きはフロント周りはGB250に換装されていて
鳴きづらいと思うのだが
バックプレートにグリスUPで治るか?
まず、作業前に試乗してみる
するとステアリングダンパー付いてる??くらいのハンドルの重さ
キャブは濃いような様子はないがスロットルの動きに回転が同調しない時がある様子
また速度警告灯が点きっぱなし
車両を工場内へ

ワイヤーの取り回しがイマイチ
スロットルケーブルがたわんでいます
クラッチケーブルも長いようですね
タコメーターケーブルもなぜかステムの上側を通過

タンクを外すと分かりやすい

反対側は
メインハーネス、左右スイッチのハーネスの取り回しがデタラメ

ヘッドライトステーのグロメットが割れてて交換もありライトケースを外すので正規の取り回しに変更しましょ
ステムベアリングはテーパーベアリングが使われており単に締めすぎ
速度警告灯はゴム部分が切れていました

点きっ放しだったのは診断の結果ウオーニングユニットの不良
Pekeさんとこのリプレイス品に交換しました。

メータークッションがぺたんこ

スピードメーター側のカラーが不在
バッテリーのブリーザーホースが妙に短い

インナーフェンダーに落ちて
スイングアーム、トルクロッドと伝って錆びさせてしまうでしょう
長いものに交換
バッテリーを外すと
エアクリーナーケースのマウンティングラバー、バッテリーボックスラバーも全滅
以前のバッテリーが液漏れしていたようでエアクリーナーケースも錆びだらけ

ナット、ワッシャー不在

ゴム部品は全交換、錆びた部位は磨いてタッチアップ
エアクリーナーもご臨終

無論交換
シートヒンジに目をやると...
ボルトだぁ

締めるとシートが動かなくなるので適度に緩めてあるがナットが脱落してしまう
正規のピン+ワッシャー+ロックピンに交換しましょう
ヒューズボックスもすごいぞ
メインヒューズのところが解けています

裏側も

半田が溶けた形跡があります。
これはノンヒューズブレーカーに交換しました。
スロットルケーブルの重いのはさらにはスロットルパイプとハンドルの摺動部にグリスっ気無し

右スイッチは社外品
中の配線を押さえてるプレートが不在
左側は....
クラッチスイッチ居ないし
なんか次から次へと出てきます。
エンドレス状態
まず、セカンダリードライブギアの交換
クラッチカバーを開けて...ばらしていくと
ロックナットどうしたん!?

こんな状態で使いまわし???
交換しましょうよ
クラッチ周りを外しました
エンジン内部はずいぶん黒いですね

これから定期的なオイル交換できれいになるでしょう
セカンダリードライブギアを交換しました
もちろんロックナット、ワッシャーは新品に交換
規定トルクで締め付け

クラッチセンターホルダーのおかげできちんとトルク管理ができます。
カバーを閉めて
いよいよエンジン始動というところで
スロットルを動かしているとおかしなことに気が付いた
キャブのスロットルレバーの動きがおかしい
ピントがずれて分かりづらいがボルトがわずかに緩んでいてシャフトに固定されておらず動いていた

違和感はこれだったのか
さらにはファーストアイドルの調整もされておらず

隙間が大きくてチョークレバーを持ち上げてもスロットルシャフトが動かない=回転が上がらない
調整しました。

心配なので同調、エアスクリューの確認
次は発電不良の診断
ライト消しててこれでは少ない

ライト点けてIGコイルでは9V

これからどんどん下がればスロー不調も起こります。
まず、焼けたギボシ端子の交換

変わりなし
ACジェネレーターハーネスをテスト品に交換=変わりなし
次、ダイナモ周り
カバーを外すとオイルがドバっと

オイルパスプラグのOリングが終了しています。
ステーターコイルのみテスト品に交換=電気が出るようになりました。
フィールドコイルも交換さらに電気が出てライト点けても十分

両コイルの巻き直しとACジェネレーターハーネスの交換
一通り作業が終わったのは19時だったかな
お客様当店に10時間居たということですね
次回の予定はウオタニSPUフルパワーキットの取り付けです。