今週はCB350Fが2台
1台目のCB350F(赤)は
ヘッドライトがおかしいことになっている

「何故そんなに下を向いているの?」
お客様曰くこの角度がちょうど良いと
「そんなことあるかぃ!」
ヘッドライトを外すと...
「なんじゃこれは?」

バルブを外すと出てきたのはH4バルブの3枚の爪をカットしたもの

これじゃ光軸が合うわけがない
何故か?
お客様のオーダーの純正対応のハロゲンバルブと比較
左が入ってたH4バルブ加工品、右が純正対応ハロゲンバルブ

違いが分かるかな?「色が違う!」....じゃなくてぇ〜
光源、フィラメントの位置に注目
ハイ、ローのフィラメントが純正では横並び
H4バルブは縦並び
光源の位置が違えば光軸も変わります
使うバルブに合わせたレンズカットに反射板
合うバルブを使ってください
ハロゲンバルブをセットし
バルブパッキン、ワッシャーを入れて

キャップして完了
今度純正ライト用ハロゲンバルブのイエローバルブも在庫しようかしら
この車両はドライブチェーンとスプロケットの交換もオーダーされている

交換するときはこの3点セットで交換するのが鉄則
交換する理由は....
幅の広いドライブチェーンを使ったがために......
クランクケースを削っている

ちなみにこの削れているところ何だか知ってる?
カウンターシャフトにオイルを送るオイルラインがあるところ
油圧が掛かっていますから削れ過ぎて薄くなれば吹き出します。
またその幅広チェーンはジョイント部が.....
「溶接なの!」
こんなのこの車両が初めて
良い子は真似をしないように
比較します
新車時にはシールチェーンなんてなかった時代の車両ですから
こんな幅広チェーンを使う設計をしていません
旧車の場合は
考えて使う部品をチョイスしてください。
この車両は集合管だからまだ良いが
ノーマルマフラーの場合横からチェーンアジャスターのメモリが見えないため上から覗くのだがすごく分かり辛い
そこでお勧めしたいのが現行のチェーンアジャスター

アジャスター側に目盛りがあるのでスイングアームの端面で合わせるので上から見ても楽ちん!
1個¥1012(税込み)、1台分ならx2で¥2024(税込み)
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CB400Fで横から見えても再塗装の塗膜が厚くスイングアームの目盛りが分かり辛い車両も少なくない、そんな車両にもうってつけですね。
ウチなんかは車検のレギュラー車両全車強制交換したいくらいです。
オイルポンプ下にオイルだまり

しかし、以前にOリング類は交換済
車歴簿を確認するとダイナモは手付かず
どれ、

やっぱりね
カバーを外すと...ノックピン片方居ないじゃん
ACジェネレーターハーネスは熱で硬化しカチカチ
ギボシ部分も焼けていますね

これも交換&修正したいですね
ノックピン居なくてカバーがずれてステーターコイルとローターを擦っていた時期があるようですね

それでもちゃんと発電してるから大したもの
CBX400F、CBR400F、CB750F、900F、1100Fなんかは擦ったら即壊れて発電しなくなる
漏れていたのはオイルパスプラグ部、Oリングの劣化でしょう

硬化していてすんなり抜けました

せっかくなのでクランクシールもコーキング
次はダイナモ
ギボシジョイント部は無理に触らずACジェネレーターハーネスごと外した

ははは..真っ黒け

ダイナモ側ハーネスのギボシの根元からカット
本来なら配線の根元からカットして配線から作りたいところだが
電気も出ているし今回は割愛
保護チューブ補修&ギボシ交換
以前オイル交換時に施工したミッションのオイルシールのコーキング部から再度オイルにじみ
やっぱり待ってもらっていての補修では液状ガスケットが完全に乾かず出てしまうのか?
コーキングを剥がしてやり直し
いつものごとくこんな状態
タンクを外しておくときにコックにホースを繋いでおく

CB350Fのコックでも出ちゃうのか
シルバーの車両のも出ていたな
このコックはレンコンみたいなパッキンを使うため漏れないかと思っていただけにガックシ
試しに新品のコックが付いている緑の350Fで試すと

ありゃ出ちゃうんだ
全車出るっとことですね
完成してお客様が引き取りにみえました
もう1台の350F(緑)
1年半まえ購入してすぐに車検予約を頂いていた車両なので今回初めて診る
かなりドキドキ
フロントホイール外そうと思ったら、メーターギアのビスが舐めていて外せない

この状態で貫通ドライバーあててショックを与えるべく叩くチャレンジャーが居ますが、破壊するだけなのでやめて欲しい
とりあえずメーターケーブルごと外そう
アクスルホルダーを外すと濡れている

反対も
ホイールを外してベアリングの点検のためシャフトを抜く

濡れてるなぁ
油には間違いなさそうだが指で触って感じたのはフルードっぽいかな
お客様に事情聴取せねば
ブレーキキャリパー
パッドBが濡れている??

ピストン側でフルード漏れしてパッドAが濡れることは良くあること
Bだけ濡れてるのは魔訶不思議
これまた事情聴取だな
外れたメータギア

ビスは長さもおかしい

裏側に出ないから
叩くためには破壊しないように反対側に当てものをする
本来はビスが出ていないので金属のブロックで対処するが
出っ張ってるので使わないハンドルホルダーを使用

出っ張りを穴に入れ
ビスの頭を叩いて潰す
ショックドライバーのビットをあてがい叩いてセット
ショックドライバーでひと叩き
緩みました
右が付いていたもの、左が正規の長さ
フロントブレーキの分解
漏れは無いようですね

ステンレスピストンかぁ
抜くと

堆積物いるなぁ
ピストンのチェック、やっぱり傷が入ります爪で擦ると段が出来てるような...

ステンレスは錆びないだろうが、純正のクロームメッキよりは硬度は落ちる
傷が入るリスクがあるが錆びないものを取るか
手入れを怠ると錆びるが傷が入りにくいものを選ぶか
といった選択
マスターシリンダーのタンク内にも堆積物

ブレーキのフルードが通るラインが全体的に汚れていそう
結構きてそう

案の定

当店ではインナーキット交換は4年ごとを推奨しているがこんなにひどいことは無い
これってはたして何年もの???
ブレーキスイッチ、これは使いたくないな
ひょっとしてブレーキキャリパー以外は結構な年数ばらして洗浄していないな

念のため洗ってみる(パーツクリーナーじゃないよ!中性洗剤で水洗い)
乾燥させると堆積物がはっきりと分かる

穴の中までびっちり堆積しているので使えないな
おのずとブレーキホースの中もどんなことになっている想像ができる
ブレーキホースAとブレーキパイプのナットはかじって外れない
ホースも交換しましょう
キャリパーはぱっと見堆積物は無さそうだが

ところがどっこい
見えない裏側にびっちり

専用ツールでそぎ落とすと...出る出る
マスターシリンダーのシリンダー内壁も荒れてる部分があるので軽くホーニングしましょ
リアに移って
ドライブチェーンを外す、クリップタイプなので事前に外せるので助かる

機能的にみるとすぐに伸びるのでコスパは悪いかな
単価は安くてもスプロケットと一緒に替えたら高いものになる
シールチェーンでロングライフが結果安上がり
ホイールを外して、スイングアームを外す
お客様が手に入れてから分解したことは無いという

グリスニップルからグリスを供給していたようでグリス切れは無い
それでも左のドライブチェーン側が摩耗が多い

右側

とりあえずガタは無いようなので洗浄してグリスを充填して組みます。
ガタが大きくなるとCB400Fのベークライトのブッシュと違いCB350Fは金属製のブッシュなので発進時に大きな音が出ます。
ブレークペダルシャフトも外してグリスUPします。
クラッチケーブルの潤滑で普段はケーブルを外して行うが
配線をタイラップ止めしてあるので外さずに行います。

メンテナンスで外す部品にはものを付けないでほしいところ
クラッチレバーを外すときに妙に固かったピボットボルト...曲がっていました

なんで?
車体はいつもの状態
お客様に概算見積りを送ってあるので
作業指示待ちとなりました。
ちなみに以前、オーバーフローで難儀した車両で
掛け始めコックをONにした時に漏れるということで
当初ついていた社外A社の物をウチの社外B社のものに交換
それでも変わらず出るようで
純正部品に交換
するとはるかに出なくなったとのこと
やはり純正のほうが精度は高いですね
ちなみに社外B社のほうもテスト用のキャブを送って
フロートバルブのアップデート中
乞うご期待
出来上がってくるまで当店オリジナルO/Hセットは在庫切れとなります。
ちなみに純正部品O/Hセットは供給しています。