次の車検車両は.....

車検切れ後4年経過している車両
本来ならば何も言われぬまま車検の継続が途切れた時点で当店で面倒を見る資格を失う
例えば、当店でフルメンテナンスをして次回は地元でユーザー代行、その次は当店でフルメンテナンスなんていう依頼をするお客様もいらっしゃる
また、事情によりしばらく乗れなくなると連絡を頂き休眠される方(海外転勤のお客様や仕事の都合でのお客様)
きちんと連絡を頂けていれば大丈夫
今回の車両も自営業のお客様でとても乗る時間が取れなくなってとのことで連絡を頂き
定期的にエンジンを掛ける、タンク内のガソリンも定期的に交換する、敷地内で少しでも動かす
これを確実に続けていたためキャブレターも腐らせず、クラッチの張り付きも無く
手間が掛かることが無くこちらとしても助かる
ただし、途中でバッテリーが終わったようでお客様でバッテリーを買ってきて付けたようだが2カ月でご臨終
充電してみるが回復充電ランプが点きっぱなしで異常確定

振ってもあぶくが出るのは右端の1セルのみ
無名バッテリーは結構ギャンブル
はずれを引いたようです
フロントタイヤが完全終了

TT100(GPじゃない)だがTT100GPよりはコンパウンドも固くオゾンクラックも遅いのだが
よっぽど古かろう
ヘッドライトも白い光にみえるが

こんな青いバルブ(右は普通のH4バルブ)

まずこの手のバルブは光量が足りない
エアクリーナーは社外品ですが良い塩梅に汚れています
フロントブレーキはもちろん全バラ洗浄
出てきたフルードも黄色くなっています。

マスターシリンダーは漏れかな

軽くホーニングしましょう
スリーウエイジョイント部のオイルボルトには汚れがこびりついています
メータクッションも潰れ、トリップノブのブーツも破れています。

メーターを外すとこんな状態
充電不良とお客様に言われていて
バッテリーが原因じゃないの?と安直に決めつけず確認
ライトを点けていないとそこそこ電気は出ているがライトを点けるとダメダメ
まずはダイナモをテスト品に交換
ギボシ部分が焼けている、コードも硬化し割れて導線が見えている

右がテスト用

数値に変動は無い
レギュレーターもテスト品に替えてみたが変わりなし
次にレクチファイヤーをテスト品に交換

するとばっちり電気が出るようになった。
試しにICレクチファイヤーに交換するも
純正レクチファイヤー交換が一番数値的には良い
ヘッドライトバルブを先日自家用車にも使ったLEDに交換でほぼ昼夜問題ない数値になった。
前後ホイールを外しお馴染みの状態へ
見積もり書いて作業指示を頂き作業開始
フロントブレーキは中性洗剤で水洗いし完全乾燥
キャリパーはシール溝に白い結晶

かきだすとこんなに

一旦トレイに移し、ブリーダーバルブ穴のねじ山の清掃
錆が堆積し真っ赤になっているのでタップでさらいます。

これまたたくさん出ました
スリーウエイジョイントもタップ掛け
ブレーキパイプも内部が錆びています

奥までの掃除は無理なので交換ですね
オイルボルトは清掃で使えます。
Before

After
ブレーキ周りを組んだら次はメーター
メータークッションはペタンこになっています

タコメーター側は皿に流れ落ちています
メーター球の確認
Before

2つ切れていました、交換します
After
トリップノブブーツも交換します
Before

After
ダイナモのコードも手直し
Before

After
ACジェネレーターハーネスも合わせて交換します。
付属のプレッシャースイッチのコードを交換するのでセルモーターを外しますが、スターターモーターケーブルのターミナルカバーが硬化し割れています

もちろん交換

上の残骸が付いていたもの、下が新品
次はポイント
ありゃ、#1.4側のポイントの固定に6角穴ボルト

調整はマイナスドライバーを使いますのでせめてマイナス頭のビスにしてください
ガバナーのカム軸の古いグリスをふき取り新しいグリスを充填する
作業完了し車検場へ
ヘッドライトはCIBIE+LED(RIZINGα)で無事検査ラインはパス
帰ってきてから試乗へ
問題なく完成です