先週の車検車両はCBX400F
預かってる最中にブログにUPすると
「ここに有りますよ〜」と云っているようなもの
必ずお客様に引き渡してからUPしている。
現在、車検で面倒をみているCBXは5台
(ノーマル+集合管+BEET外装程度)
継続で依頼いただいてるので「取り扱いから外したからダメよ」とは云えませんから
車検に限ってお受けすることにした。
オーナーさんも壊さないように気をつけるようになって良い傾向
栃木から自走で到着
依頼事項で
「冷間から少し暖気して走り出して、ちょっと走ったところでエンストする」と
念のため
「ガス欠みたいな止まり方?スイッチを切ったようにプツンと止まる?」と聞くと後者との返答
まず、ピンと来るのが電気系統だろうという予想
1回目の試乗で走り出して舎人ライナーの高架下を右折、そのバンクしてる最中に止まった(汗)
惰性で走り路肩に寄せてセルを回すが火は入らない、次にキルスイッチをON〜OFF〜ONと動かしてセルを回すと何事も無かったようにエンジンは掛かった。
点火系に間違いなかろう
しかしその後は症状は出ない
エンドレス状態になる可能性もあるため
先に車検整備を済ませ車検を通してからまた試乗再開しよう。
まずは充電量の測定
ライトOFFで13.8V!?

ライト点けて13V!??

低いな
聞けばこれまで充電系は手付かず
それでは1つずつテスト品に交換しどれが性能落ちているのか調べましょう
(最悪全部均等にか!?(汗))
一番可能性のあるダイナモローターから

数値はほぼ変わらない!?
ステーターコイル

これもほぼ変わり無し!??ナンデ?
最後にレギュレートレクチファイヤー(以後レギュレーター)

これもほぼ変わり無し!??まぢ??
他でロスしているということ??
こんなことは初めてです。
一度、全部元のものに戻します。
で、レギュレーターのアウトプットを測定

ライトONで14.8V!えぇぇ〜出てるじゃん!!
配線図をたどり次のポイント
メインハーネスとメインヒューズコードのカプラー部

更に落ちて12.6V
次はヒューズBOXの端子部

ここで思いっきり電圧降下
ここからヒューズ〜マグネットスイッチの端子〜バッテリー+端子へと流れる間に更に落ち込み13Vになるわけだ
配線の内部抵抗が増大しているということ
そりゃそうだ
30年越えの車両だもの
以前聞いた話、電気のコードはまともに機能するのは5年くらいでその後内部抵抗は増えていく
(正確には通電時間による)
とりあえず、取扱品のメインヒューズ用のノンヒューズブレーカーを取り付ける
するとバッテリー+端子〜ヒューズBOXまでが新しいコードになるということ

バッテリーの端子電圧で14.2Vまで上昇
ノンヒューズブレーカーをモディファイしコードを加工、メインヒューズコードをキャンセルしメインハーネスのカプラーへ繋ぐ
なんと、14.7Vまで上昇!!

これだけ出てれば問題なし
どういうことか
本来の電気の流れ
ノンヒューズブレーカーでショートカット化
このことをお客様にお伝えし
メインハーネスの交換を具申
快諾を戴き交換完了

電装系のリフレッシュは本当に有効です。
続いて足回り
今回走行距離も少なく、屋内保管の為劣化は少ないだろうと
ブレーキの全バラは無くフルード交換のみ
ただし、ホイールベアリングの点検も有り、前後ホイールは外します。
外したホイールはベアリング部をマスキングして高圧洗浄

インボードで囲まれているためパッドと鋳鉄ディスクの粉末が積もっており、真っ黒い水が流れ出ます。
エアブローして完全乾燥
こんなにきれい
次は依頼事項のフロントフォークO/H
前回O/Hしてから約1万km
オイルの輪が出来始めたので早めの処置
右側から

まだオイルはきれいですね
しかし、ロックピースには沈殿物

左側

こちらは若干汚れています。
ロックピースにもそれなりに…

この沈殿物はオイル交換だけでは出てこない
定期的に全バラ洗浄はしたいところですね
エンジンにオイル漏れが有り
場所は前側左から2番目のスタッドボルト

当店での車検整備ではタペット調整も行いますので

一緒にシールワッシャーの交換を行います。
圧縮圧力の測定で気になるのが10kg/cm2切ってるところがあること
CBXの場合バルブのカーボン噛みでも圧縮が落ちるもの
さてどうしたものか
車検整備が完了し、試乗も兼ねて自走で車検場へ
(もちろん往復は変な輩がついて来ないかバックミラー見っぱなし(笑))
まず、手前のテスター屋で光軸調整
ところが光量が出ない
回転を上げても129cd以上上がらない
しまった!手を当てて白い光だから大丈夫だろうとヘッドライトバルブを見てなかった。

(撮るの忘れたのでイメージ画像ですが、もっと表面にコーティング掛かっているもの)
この手の青いバルブって目視では白い光に見えるが明るくないのです。
テスター屋さんが
耳元で「H4バルブ有りますよ〜買いますか?」と
店に帰ってまた来るのは時間的にかなりのロス
「お願いします。売ってください」
「毎度あり〜」
また浪費してしまった…
しかし、スタンダードバルブなら
ちょいと回せば200cd!!
楽勝じゃないですか
忙しいときはこんなおっちょこちょいミスが増えますね。
この日、車検ラインの判定BOXは顔なじみの検査官
「実はお知らせがあります、足立は今日が最後で来週からは大宮です。」って
「あれま〜残念。お疲れ様でした。」
彼は旧車には詳しいので大宮がホームの方はお気をつけくださいませ
例のエンストの症状はいまだ沈黙
お客様には
「症状が出ないと対処が出来ないので、引き取り当日直前まで試乗はしますが出なかったときはご了承ください」と説明
完全に冷やしてからの試乗ですから出来ても日に2回
預かってからすでに50km乗っている
引き取り当日
午前中に試乗、すると
「出た!」
裏路地で右折の為の一時停止でストンと止まった
やはりキルスイッチに反応するようだ
戻ってきて
スパークユニットを交換してみるが変わらない
そうこうしてるうちにお客様が到着し
「たった今出ました」
>「出ましたか〜」
(二人で)「困りましたね〜」
「とりあえず、モリワキZEROのスパークユニットが付いていてこれなら実働は確実ですから、しばらく乗って確認してもらえれば」と説明
お客様が体験した症状を再度おさらい
「
暖機運転を充分にすると症状は出なくて
夏場などで中途半端な暖気で走り出すと出る」
「エンジンを掛けてほぼ決まった時間では無くて?」
「時間というよりも温度だと思います。」
むむむ…するってぇとパルスジェネレーター??
エンジンに付いている部品ですから熱に左右される
イグナイターも通電すれば発熱するが電気が流れている時間に左右される
もっと詳しくディスカッションすれば良かった。
お客様に
「時間大丈夫?手持ちのパルスジェネレーターに交換するから」
と早速作業

よく電話で中古でも良いがパルスジェネレーターは無いかと問い合わせがあるが、単品での販売は一切行っていない
このように、当店の車検顧客にCBXオーナーが居る限りは何時このような事態が起きるか分からない、いざ在庫が無いときは目も当てられない
(某オークションでは怖くて買えませんからね)
※「ブログみたけどなんとか売って欲しい」とかのオファーはお断りいたします。
ただし、これで直ったかは分からない
可能性の1つを潰しただけ
念のため生きてるスパークユニットを持たせ
万一症状が出たら交換して欲しいと
それでも出たらキルスイッチぐらいしか思いつかないと

しばらくして繰るだろう結果報告がドキドキですね。
CBXを取り扱いから外して4年経つ為
自分の中でのCBXに関しての臨床例が増えることが無い
今回のように明らかに経年による症例は年数と共に増えるのだろう