このような質問を戴きました。
お名前(ハンドルネーム、匿名不可):xxxx
メールアドレス:xxxxxxxxx
車種:CBR400F
内容:初めてメールさしていただきます。
今CBR400Fに乗っているのですが仕事が忙しく中々乗る機会がないのが現状で保管の仕方をお聞きしたいです。
三ヶ月〜半年に1度乗るレベルなのでツーリングが終わって保管をするときにプラグ穴から少しのオイルを入れてクランキングをさせて保管をしてます。
乗り出す時はカムやシリンダーにオイルを浸けて手動でクランキングをさせオイルを行き渡らせてからエンジンを掛けるようにしているのですが僕がやっているのはやり過ぎなのでしょうか?
つい先日大手バイクの中古車屋さん(RB)に遊びに行ったときにこの話をしたらやり過ぎだよと笑われてしまいました。
CBRを将来的に子供に乗せたいなと思っているので過度にやっている部分はありますがシオハウスさんの方ではどのように保管をしているのか一度アドバイスをよろしくお願いします。
今回の笑われた行為
エンジンを知ってる人間なら拍手モノです。
欲を言えばエンジン始動前の儀式の際にプラグを抜いていただければ更に良いでしょう
実際、エンジンが掛かっていればオイルポンプでオイルが強制潤滑され、回転しているものから飛沫潤滑もされます。
エンジンを止めれば重力にしたがいオイルはオイルパンに落ちてゆきます。
問題はカムホルダーやクランクの軸受けのメタルなど油膜によってフローティングしている部分
そんなに時間が経っていなければ油分は残っていますが
長期保管の場合、期待は出来ません
ただし、そのことを理解して危機感を感じてもらえる方が非常に少ないということ
左上の検索で「このブログを検索する」をチェックして
「ドライスタート」「メタルアタック」とおのおの検索してみると
これまでのバックナンバーが閲覧できます。
当店でも数えきれないほどのエンジンを手がけていますが
長期放置(保管)=ドライスタート=メタルアタック
だろうエンジンはやたら見かけます。
年式によりメタルも材質が違い
CB400Fあたりはやらかして傷を入れてしまってもすぐにはどうこうならず、音も出ず徐々にクランク軸ともども傷が増えていく状態
ところがCBX,CBRは話が別で
傷を入れてしまえばやがて焼きつき、打音が出てしまえばクランク軸まで摩滅して使用不可になる可能性もあります。
また、Z1,Z2系のエンジンのようにクランクにベアリングが使われている場合はまだ安心なんですね
これまでにやった中で酷かったのは
エンジンフルO/H済みの車輌を購入したお客様
(キャブO/Hだのクラッチ張り付きなどがあった)
不安を感じて購入後エンジンを診て欲しいと即当店に入庫
開けてみたら見事にメタルが傷だらけ
エンジンO/Hして車輌製作後売れなくてだいぶ展示されていたのでしょうね
長期エンジンを掛けていなかったものを適切な処置もせずにいきなり火を入れれば
オイルが回るまでの数秒、ドライでエンジンを回すことになります
そんなことの連続でやってしまったのでしょうね
そのオーナーさんは迷わずZIP-STARTの取り付けを依頼しました。
このZIP-STARTとは
始動時の強制潤滑装置
http://homepage3.nifty.com/ZIP-START/
始動前にスイッチを入れるとエンジンのオイルラインにオイルを強制注入し完全にオイルが行き渡った状態でエンジンを掛けられるという優れもの
これまでにもここで書いていますが
CBXには是非つけたい装置です。
エンジン始動時に一瞬音が大きくて、すぐに静かになるのを体験している方も多いと思います。
音が大きいときは油圧が掛かっていないとき
油圧が掛かってやっと静かになるのですが
そのわずか数秒間でダメージを食らうことがあるのです。
しかしながら、反応はゼロ
当時モノ部品や外装部品にはお金を掛けますが
このように「保険」としてつけるようなものには二の足を踏む、または興味なし!
結局、壊れてから大騒ぎっていうパターン
そんなこともあり
ZIP-START自体売れないために販売をやめてしまいました。
HPにはバックオーダーがたまれば....と書かれていますが
無反応
とりあえず出来ることといえば
始動前に必ずキルスイッチを切って(OFFにして)
セルを空回し2〜3秒を1セットで回しては休み、回しては休みを繰り返し
オイルランプが消えて更に2セット程度行ってから
エンジンに火を入れるようアドバイスしています。
(一気に長時間連続で回し続けないこと、セルモーターが焼きつきます)
オイルを回してからエンジンに火を入れたいのです。
欲をいればプラグまで抜きたいところですが毎回は大変ですものね
(メタルに負担をかけたくないのです。)
当店の場合は
専用の強制潤滑装置を持っていますから
それを使用してオイルを回して
シリンダー内にはプラグホールから潤滑剤を噴霧してエンジンの始動を行っています。
また、その作業のみの依頼で積載で持ち込まれる方もいらっしゃいます。
本来、コンスタントに乗っていただくのが一番長持ちさせるのには良いでしょうね
ただ、エンジンを掛けるだけだとマフラー内に残った水蒸気が開いているEXバルブからシリンダー内に入り錆びさせる場合も有ります。
最低でも町内一周してくださいとアドバイスしています。
ZIP-START....どれだけオーダーが入れば作ってくれるのか?
今度、社長に聞いてみましょう