2017/5/31
5月稽古場 5 稽古

「一期一会」
紫野大真師

今日は
お越しになった方が三名だけでしたので
1時半頃にお稽古が終わりました
皆さんが帰られた後
点前座にすわり
濃茶を点てることにしました
静かに釜の煮える音を聞きながら
何も考えず
ただ淡々と点前をしていると
時折
風の音がしたり
遠くで犬が吠える声が聞こえてきます
再び訪れる静寂の中
私の意志とは関係なく
手が勝手に動いているような
なんだか不思議な気分になってきました
三人分ほど
たっぷりと濃茶を練って
一人でゆっくりと味わいました
心落ち着く
至福のひとときでした

主菓子 山時鳥 鼓月製

干菓子 鏡湖 千本玉寿軒製

2017/5/30
太閤園の庭園にて 美術館・お茶室
今日は
毎年東大寺献茶式の副席を
一緒にお手伝いさせていただく
敬游会の方々と
太閤園で会食をして参りました
お茶会の時には
ゆっくりお話をする余裕がありませんが
今日は久しぶりにお会いした茶友の方々と
時間のたつのを忘れて
歓談させていただきました
食事の後
太閤園の庭園を散策しました

松花堂茶室
江戸時代末期
石清水八幡宮にあった松花堂昭乗の茶室をモデルに
大坂の豪商・加島屋の樋口十郎兵衛によって建てられ
一旦解体された後
明治期に貴志彌右衛門が
その解体材を使って再建したものだそうです
(「千島土地 アーカイブ・ブログ」脚注より)
因みに
貴志彌右衛門は
昭和初期に世界的音楽家として活躍した
貴志康一氏の祖父にあたる人なのだそうです
近くに寄って
下地窓から中をのぞくと
確かに
現在松花堂庭園にある
松花堂の草庵茶室と同じ二畳で
隅炉となっていました
「松花堂弁当」は
この茶室で茶事が催された折
貴志彌右衛門が
後に吉兆創始者となる湯木貞一に
松花堂昭乗ゆかりの十字型の仕切のある器で
茶懐石の弁当をつくるようにと
命じたのがはじまりなのだそうです


紹鴎の塔
織田有楽が武野紹鴎を偲んで建立したもので
堺から建仁寺正伝院に移され
その後
藤田邸へ渡り
現在は太閤園のこの地にあるのだそうです
四百年の歴史の興亡を
静かに見つめ続け
今この場所にひっそりと立つこの供養塔に
思わず手を合わせたくなりました

2017/5/28
石清水八幡宮献茶祭 他会記
本日は
石清水八幡宮の献茶祭に
参列させていただきました
今年は
『お茶の京都』特別企画
「石清水八幡宮献茶祭参列とお茶席・点心を楽しむプラン」
という企画があると聞き
前もって参加申し込みをいたしました

本殿

11時より
本殿にて献茶祭が執り行われました
尺八の都山流宗家・中尾都山様が奏でる
秘曲「岩清水」が幽玄に流れる中
表千家猶有斎若宗匠により
お濃茶と薄茶が点てられ
御神前に献上されました
宗匠のお点前を
間近に拝見させていただけることは
流儀を学ぶ私共にとって
大変幸せなことでございます

「特別プラン」の”点心弁当”

新緑の木漏れ日に吹く
心地よい風を受けながら
石清水八幡宮の方のご案内で
抹茶席3席と玉露席・煎茶席などを
茶友や社中の方々と一緒に
ゆったりと楽しませていただきました

2017/5/25
5月稽古場 4 稽古

「行雲流水」
東大寺長老寛秀師
花 大山蓮 下野

運び 濃茶点前
今年の研究会は
茶事を中心に据えて
社中の方全員に
1回以上必ず茶事にご参加いただけるよう
年間計画をたてています
次回は7月に朝茶をする予定です
朝茶では
濃茶の後
後炭を省いて
続いて薄茶を差し上げることになっています
この「続き薄」のことを
前もってご理解いただくために
今月は時間のゆるす限り
続き薄の稽古をしていただいています
茶器の入れ替え
茶巾絞り
薄器の拝見など
色々お稽古することがあります
茶事の時には
それをいちいち説明いたしませんが
点前を見ながら
今日の稽古を思い出して下さると
うれしいなと思います

2017/5/24
5月稽古場 3 稽古

「行雲流水」
東大寺長老寛秀師
花 柏葉あじさい

風炉の濃茶点前では
お茶碗に湯を入れる直前に
水指から水を一杓すくって
釜にさします
釜の煮えの音が
ふっと静まった瞬間
それまで
釜の煮える音が静かに鳴っていたことに
あらためて気づかされます
突然訪れる無音の世界
そして
茶碗に
湯の注がれる音
私はこの静寂が
とても好きです

主菓子 青嵐 鼓月製

干菓子 八つ橋
