ようこそ、お入りを・・・。

2021/7/4

曙会  他会記

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梅雨の晴れ間
なにわの街のお茶会が
久しぶりに開催されました

本日は
知人の奥田孝子氏が釜を懸けられるとのことで
楽しみに出かけました


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9時少し過ぎに到着しましたが
既に一席目が終わる頃でした

手指の洗浄・消毒を何度もした後
私は三席目に入らせていただきました


今の状況下で席主さんは
何かと普段以上のお気遣いをされていて
一席の人数も十名までになさっていました

しかし
ひとたびお席に入りますと
美しく心洗われる世界に
悩ましい世情をふと忘れて
風雅なひとときに浸らせていただきました


お床には
お家元自筆の竹自画賛

その前に置かれた
すっきりとした竹花入れには
今朝開いたばかりの底紅が
清々しく縞葦と共に入っています


点前座の長板には
面取り前欠き風炉と並んで
大層大ぶりの水指

なんと
エミール・ガレ作!


勧められて座った席に置かれた
莨盆の中には
本物か?と見まがうような
ほおずきの莨入れが・・・


主菓子は
鶴屋さんが今朝焼かれたという
葛焼

螺鈿の竹が涼やかな干菓子盆は
大阪城の古材だとか


脇に飾られていた主茶碗の黒は
銘「粟津晴嵐」


私がいただいた唐津の平も
素晴らしかったのですが

次客さんが頂かれた「雷神」のお茶碗は
待合に置かれていた
現代的な「風神雷神図」の風炉先と相まって

ご亭主の遊び心を感じさせていただきました


お運びに出て来られた
振り袖姿の小さなお孫さんの可愛かったこと!

よく見れば
点前座で緊張気味にお点前をされているのは
席主のご主人様!

なんと
風炉の灰押しはご主人様がされたとか

夫唱婦随
はたまた
婦唱夫随!?


ご家族総出のおもてなしに
まるでお家に招かれたような
親しみさえ感じさせていただきました


最後にお尋ねした
茶杓の御銘は

「荷葉団団団似鏡」
(かようだんだんとしてまどかなること鏡に似たり)

席中では
今一つその意味がはっきりわからないまま
帰ってきてしまったのですが・・・


帰宅後に調べましたら
次のような意味の禅語でした


「蓮の葉はまるまるして鏡のように丸い」


久しぶりのお茶会
存分に楽しませていただきました


このような時代に
前向きに開催して下さった関係者の方々に
心より御礼申し上げます


14

2020/12/14

やっとのことで。。。夕去りの茶C  他会記

席入り後は
一瞬一瞬が宝物のような
素晴らしい時間でした


使われたお道具のことは
ここで述べるわけには参りませんことを
何卒お許しください

ただ一言
お伝えできるとしたら

濃茶を練って下さった黒樂を
茶筅とおしの前に小すすぎされ
使うことを辞退させていただこうとした
出服紗を
「意味があるからお使い下さい」
と強く仰ったことには
ちゃんとした理由があってのことと
腑に落ちたということ



そして
古くは利休様が彼の上様をもてなしたと
伝わるそのやり方を
師匠が再現してくださったことに
言葉にできないほどの感銘を受けましたこと



燈芯と和蝋燭の揺らめく幽玄な世界で
ひたすら濃茶を練ってくださる師匠の姿が
まるで夢を見させていただいているかのように
幻想的だったこと


以上のことだけを
ここにお伝えさせていただきます



また
「掛物ほど第一の道具は無し」という
あの利休の言葉が
これまでに無いほど
真に迫って感じられたことは
私のこれからの茶道人生にとって
何物にも代えがたい大きな学びでありました





灯芯の光ゆらめく吉備の里

五臓にしみる

我が師の恩





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13

2020/12/14

やっとのことで。。。夕去りの茶B  他会記

今回のお茶事は
13日から数日間続いて行われるそうで
私は都合で初日に伺うことにしていましたが
他にどなたが同席されるのか
ほとんど知りませんでした


しかし
待合にそろった顔ぶれを見まわすと
当然私は7人の真ん中に入れていただけると
安心しました

もし必要であれば
お詰めをさせていただくことはあるかな
とは思いましたが。。。


ところが
先輩諸姉は正座が出来ないなどの理由で
口々に正客になることを固辞されて
思いがけないことに
若輩の私に白羽の矢があたってしまいました


やっとのことで
遅刻することなく席入の時間に間に合って
ほっとしたのもつかの間
一転して緊張感が襲ってきました


あらためて
待合に懸けられた掛け物を
もう一度篤と拝見し
意を決して
席入りさせていただくことにいたしました


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2020/12/14

やっとのことで。。。夕去りの茶A  他会記

当日の席入の時間は午後3時と
伝えられていました

しかし
何せ場所が遠方のことですから
余裕をみて
2時間ほど前には近くまで行っておこうと思い
家を10時50分に出ることにしました

前日の晩は体調を調えるつもりで
少し早めに床につきました


ところが
夜中の3時ごろのことです

突然胃から左腹にかけて
刺すような痛みを感じて目が覚めました

結局4時頃まで痛みのために眠れなかったのですが
頭の中は
「明日このまま痛みが続いたらどうしよう・・・」と
不安でいっぱいでした

その後まどろんだものの
うつらうつらしながら
身体がだるくてまともに歩けないほど苦しい夢を見ていて
結局朝8時ごろまで起き上がることが
できませんでした

腹痛はおさまっていたものの
立ち上がると何だか病みあがりの時のように
身体がふわふわしていて
普通ではない感じでした


何か急に悪い病気になっているのではないかと
体温を計ってみましたが
36,2度で全く平熱です

トイレに行っても特別異常も無く
他に何も症状も無いので
着物に着替えて
予定通り出かけることにしました


夫にいつものごとく
京都駅まで車で送ってもらって
11時46分発の新幹線に乗る予定でした

ところが
途中道路が普段では考えられないほど渋滞していて
30分で京都駅まで行けるはずが50分もかかり
結局次の列車に乗ることになりました



ようやく新幹線に乗り込み
数寄屋袋の中を点検していたら
菓子楊枝を忘れてきたことに気づきました


一瞬困ったなと思いましたが
岡山駅で乗り換えまで30分の待ち時間があったので
高島屋の茶道具売り場に走り
無事に菓子楊枝をゲットしました


そして
なんとか席入りの30分前には到着できる
見込みで桃太郎線に乗りました


いつもの駅で下車し
駅前に停まっていたタクシーにのろうとしたら・・・


いきなり運転手さんが車から降りてきて
「すいません・・・エンジンが急にかからなくなって・・・」

「ええっ!?それじゃすみません ちょっと急ぎますので」と

数十メートル離れた所にある
タクシー会社まで駆け足で行き
待機していた車に飛び乗りました


そして
やっとのことで
席入り30分前ぎりぎりの時間に
無事到着することができました


きっと
他の6名の方々は
既に待合に入っておられるだろうと
焦って門に向かって小走りに行きましたが
まだ打ち水された様子がありません

一足先に到着していた二人が
不安そうに立っていて
そこで合流して躊躇していたら
お手伝いの方と受付の方が出て来られました

まだ誰も来てないけど
来た人から入ってと言われ
結局一番乗りで玄関をくぐることに
なってしまいました


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2020/12/14

やっとのことで。。。夕去りの茶@  他会記

師匠が
「今度『夕去りの茶事』をしましょう」
と仰ったのは
確か9月頃だったと思います

「夕去りの茶事」とは
まだ明るい夕方ごろに席入りをし
夕暮れから宵へと
時間と共に暮れて行く風情を味わう茶事です


滅多に経験することの無いこの茶事を
是非とも私も体験させていただきたいと
思ったものの
そのお話を聞いた頃は
実家の父の容態が刻々と変わっていて

万一不幸にもその時が重なってしまったら
お茶事は諦めないといけないなあと
二重に不安な気持ちになっていました


しかし
先月父は自らの最期の日を定めていたかのように
穏やかにあの世へと旅立ちました


先週二七日(ふたなぬか)の法要を済ませ
私は12月13日の夕去りの茶には
何の心配もなく
出席させていただくはずでした


ところが・・・!?


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