2009年4月28日 火曜日
「必要なものは作る、必要でないものは作らない」、政治の世界も行政の世界も総論では同じことをいいます。わたしもまったく同感です。
でも、見方によって「必要なもの」と「必要でないもの」はまったく逆になります。
1985年、円高を誘導したプラザ合意、その不況対策は「内需拡大」の掛け声のもと利下げにより低金利の資金供給が行なわれましたが、その資金は本来の事業への投資が行なわれずに株や不動産に流れました、バブルの始まりです。こうしてマンションやリゾート・ゴルフ場などが日本じゅうに無計画にできあがりました。
建設・土木の業界は多くの仕事を民間で調達できました。土木がものすごく儲かった時代です。見積もりどおりの工期で仕上げるためにはさらに倍額の資金が必要だという「見積もり変更」も当然のように行なわれていました。
契約までしたのに、「契約どおりやるなら2倍のお金がかかる」、これって契約でしょうか?発注した民間業者も借りたか、預託金で集めたカネなので(つまり自分のお金じゃないので)「いくらかかってもいいので契約どおり仕上げてくれ」と。
こういう時代には2倍儲かる「おいしい」民間の仕事がありますから、公共工事などは談合でもやって利益を確保しなきゃ、敢えてやりたい仕事ではない、公共工事では簡単には見積もり変更はできませんから。
ところが、バブル後の不況で公共事業が増え再び土木が潤った時代を経て、財政赤字で公共事業がどんどん削減され仕事がなくなった時代が到来し、そこへ今回の世界的な不況。

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