2010年8月30日 月曜日
高品質・低コスト・短納期、というのはすべての業務の目標です。民間企業ではたとえばカイゼン活動などといって、世界に広がるオペレーション効率化の目標となっています。
カイゼンはここ愛知県・トヨタ自動車が発祥だとされます。
ところが、アカン直人首相は、正反対のことをするわけです。つまり問題が何なのかが見えていない、わからない、ということなのでしょう。何が問題か明らかでなければカイゼンは不可能です。
今の政府の政治・行政の目標は、低品質・高コスト・納期不明に見えます。
〜〜時事ドットコム8月29日引用〜〜
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2010082900104
孤立懸念の高齢者支援強化=介護保険改革、新規立法も−菅首相
菅直人首相は29日午後、兵庫県芦屋市内で記者団に、2012年度予定の介護保険制度改正に向け、「孤立化の恐れがある『高齢単身・夫婦のみ世帯』の生活支援」を介護保険の基本目標として追加するよう、厚生労働省など関係省庁に指示したことを明らかにした。所在不明の高齢者が相次いでいる問題を踏まえて声明を発表した。
首相は記者団に対し、「独り暮らしのお年寄りにしっかり対応しないといけない」と述べ、既存の介護保険法を見直し、家族同居世帯を前提としない法改正を検討すべきだとの認識を表明。また、「場合によっては介護保険制度の整備法といった新規立法も含めた対応が必要ではないかと思っている」と述べた。
警視庁が既に死亡した男性の遺族共済年金をだまし取った容疑で親族を逮捕するなど、高齢者の所在不明問題は全国で深刻化している。このため、首相は声明で「高齢単身・夫婦のみ世帯」を支える「新型サービス3本柱」として、(1)24時間地域巡回・随時訪問サービス(2)見守り付きなど高齢者向け住宅(3)認知症支援−の全国普及を目指す方針を打ち出した。
さらに、「高齢単身・夫婦のみ世帯」が高齢世帯の約3分の2の約850万世帯に達し、「孤立化して日常生活や介護に不安を抱く高齢者が非常に多くなっている」と指摘。「介護保険をはじめ高齢者の政策を大きく転換すべき時期を迎えている」と強調した。
〜〜引用終わり〜〜
この方、介護保険法も理解できていないのではないのでしょうか。
民主党は昨2009年度の衆議院議員選挙のマニフェストで医療・介護について次のように書いています。わたしは、このマニフェストを実現する、と言えば十分だと考えます。
それともアカン直人首相は、介護に現金給付を行うような、日本には存在しない、まったく新しい高齢者介護の仕組みを作るというのでしょうか。
〜〜民主党マニフェスト引用〜〜
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/pdf/manifesto_2009.pdf
医療・介護の再生
医師不足の解消、新型インフルエンザ対策等、介護労働者の待遇改善
平成22〜23年度 医師不足解消など段階的実施 1.2兆円
平成24〜25年度 同上 1.6兆円
年金、医療、介護の不安をなくし、誰もが安心して暮らせるようにします。
「年金通帳」で消えない年金。
年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現します。
後期高齢者医療制度は廃止し、医師の数を1.5倍にします。
高齢化社会の不安を解消する第一歩は、国への信頼を取り戻すことです。
「消えた年金」被害を補償するとともに、国民全員が受け取れる年金制度を確立。十分な医療・介護サービスを提供し、ひとつの生命を大切にします。
マニフェスト 政策各論
25、介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる
【政策目的】
○全国どこでも、介護の必要な高齢者に良質な介護サービスを提供する。
○療養病床、グループホーム等の確保により、介護サービスの量の不足を軽減する。
【具体策】
○認定事業者に対する介護報酬を加算し、介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる。
○当面、療養病床削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する。
【所要額】
8000億円程度
〜〜引用終わり〜〜
孤立化の恐れがある『高齢単身・夫婦のみ世帯』の生活支援」を介護保険の基本目標として追加する、これはいいでしょう。基本目標をどう具体化するか、が問題です。
さて、アカン直人首相のいうその具体的な施策とは
1、家族同居世帯を前提としない法改正の検討
今でも介護保険は現金給付ではなく、現物給付ですから、ヘルパー・看護師による一人暮らし高齢者世帯も居宅系、地域密着系、施設系の各介護サービスでカバーしているわけです。ただ24時間のヘルプを入れれば介護保険の自己負担分最高で3万5000円、それにプラス40〜50万円がかかることは避けられません。この分の現物給付ないし現金給付をする、というのでしょうか。
2、高齢者の所在不明問題は全国で深刻化している。首相は声明で「高齢単身・夫婦のみ世帯」を支えるために
(1)24時間地域巡回・随時訪問サービス
(2)見守り付きなど高齢者向け住宅
(3)認知症支援
を行うといいます。
高齢者の所在不明問題は、膨大な数の生死不明の高齢者が放置されたままの地方自治体もあれば、そういう高齢者はいない、という自治体もある、というようにバラつきがあります。これは介護保険の問題ではなく、地方自治体が同和利権を許しているかどうかの行政利権の問題であり、職員の職務怠慢という人事管理の問題です。高齢者介護の問題ではありません。
また、実際のところ夜間の介護事業については供給する事業者がないのが実情です。それを事業として行うことがどれほど困難かわかっているのでしょうか。まぁ、地方自治体が事業主体となり、職員が夜間訪問すれば別ですが。
また、年金欲しさに死亡したまま放置するというのは、生きていくための生活費の問題であり、個人の年金受給額の問題、そして生活保護の問題です。
優先順位としてはマニフェストに書かれているように国民が最低限の年金を受給できるようにすること、です。そして生活保護については、優遇措置により国民年金に加入する機会があっても加入しなかった在日外国人の生活保護は、本国である韓国・北朝鮮に請求すべきことです。まずは日本国民の生活保護を優先すべきです。
3、高齢者の政策を大きく転換すべき時期だといいますが、具体的にどういう施策を考えているのか不明です。たとえば現物給付を現金給付に変えるなどのことを言うのでしょうか、それとも保険という仕組みを変えるのでしょうか。
介護保険法が施行されて10年、その間自民党・公明党は必要があるにも拘わらず、特別養護老人ホームなどをカネがかかるからと建設をしてきませんでした。同時に高齢者福祉は高齢者のための保険制度を作れば足りるとしてきました。
特別養護老人ホームは入居者以上の数の待機者がいるのをご存じですか。入居待機者42万1259人に対して、既存の特別養護老人ホームの在所者数34万1272人(定員34万6069人)、です。2009年12月23日の日記です。
http://wind.ap.teacup.com/ippo-nifo/488.html
ここを充実することこそが急務です。道路などの公共工事はもういらない、不足する高齢者用の施設を充実させる公共事業を行うべきなのです。
まったくアカン直人首相の鈍感(管?)さにはあきれます。何か目新しいものを出そうとするあまり足元のマニフェストを忘れている。あるいはマニフェストを無きものにしようとしています。
民主党にとって、今一番重要なことはマニフェストを実行することです。これしか国民に公約したことはありません。
アカン直人首相が参議院議員選挙で口から出まかせで言ったように消費税10%増税だとか、そんなことはマニフェストには書いてありません。書いてないことをやろうとし、書いてあることをやらない、これではマニフェストの意味がないことはもちろん、なによりも、国民に約束したことはウソだということになります。
世界最貧国の北朝鮮ですら、「地上の楽園」と自らを呼んでいるのです。美しい言葉にはウラがあります。信用してはならない。
口の軽さと心地よい言葉・耳触りのいい言葉、能弁家はウソっぽい。行動に移さないのは誠実さを欠く人間のお決まりです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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