『提督斎藤實「二・二六」に死す』(光人社NF文庫)が発売になりました。これは、平成11年(1999)年2月に刊行された『惨殺 提督斎藤実「二・二六」に死す』の文庫版であり、21年ぶりに陽の目を見たかたちになります。もっとも、産経新聞岩手版(当時)に連載したときは36歳〜37歳のときであり、初出は30年近くも前になります。
文庫化にあたり、タイトルの表記を変え、著者名を筆名にし、本文の一部を改稿しました。二・二六事件は、昭和を暗転させた未曾有のクーデター未遂事件として知られていますが、映画やドラマなどでは決起した青年将校の側から描かれることが多く、暗殺された斎藤實の人物像や生涯については、ほとんど詳述されることがありません。斎藤實の視点で日本の近代史の光と影について考えるきっかけになれば幸いです。